masakidsの電気けいれん療法体験談(従来のサイン波ECT)木箱ECTはあれだね・・

木箱うつ病

はじめまして。私は、電気けいれん療法を受けた経験のあるmasakidsと申します。
年齢は、現在37歳で今年の誕生日で満38歳になる男性です。

34歳の忘れもしない平成26年7月3日に人生で初めて心療内科を受診することになりました。
最初は不穏感と倦怠感で気持ちが上がらずそれに相応する理由もなかったものですから少し様子を見ていました。

しかしながら、一向に気分が上がらない日が続きました。
私自身、小学生のころから卓球をしておりインターハイにも出場経験があります。精神的には、追い込まれてもその壁を乗り越えることを卓球というスポーツを通じて実行してきました。
ただ、当時の勤務していた会社では残業が非常に多く、数値に換算すると毎月閑散期で60時間~繁忙期で100時間超というまさにブラック企業でした。今思うと、よくぞ3年弱続いたかなと思います。

また、その時期には私の中で人生のパートナーとの結婚というのも一つの大きな心境の変化があったことも否めない事実です。
最初は、俗に言うマリッジブルーかな!?なんて冗談半分に職場の同僚とも談笑していましたが、いつの間にかそんな談笑もなく私の顔から笑顔が消えていったと妻が今でも言います。

心療内科を受診

そのようなこともあり、同僚でも一番尊敬できる先輩のアドバイスもあり心療内科という敷居の高いところに足を踏み入れました。
初診では、詳しく職場環境、労働環境、休日の有無あるいは過ごし方など根ほり葉ほりここまで聞くかというぐらいまで聞かれたのは今でも鮮明に覚えております。
直近、三カ月の勤務表を求められて提出すると月平均90時間という実態に主治医も唖然としておられました。病名は、言うまでもなく過労によるうつ病と診断されました。

この結果を受けて、今の会社に残り診断書を提出して部署異動を考えるか、思い切って職場を変えるかの2パターンの選択肢を突き付けられました。妻と二人暮らしですが、二人でよく話し合った結果、思い切って職場を変えるという結論に至りました。
ちなみに、うつ病と判断された2日後が私たち二人の結婚式の日ということで心療内科に行った日をはっきり覚えているということなのです。
初めてうつ病という、いわゆる病歴に残るような病名がついたのは現在のところ最初で最後です。

転職が予想外に過酷で

しかし、私たちの出した結論が大きく現実とかけ離れていることに当時は知る余地もなく新たな職場に新たな気持ちでやっていくと輝いていた自分自身がそこにはいたように覚えています。
結果的には、新天地でも残業過多の職場でした。
10日もせずに会社を去ることになりました。そして、妻がいながら職を失ってこれからどうしようかと途方に暮れていると涙が止まりませんでした。

再度求職活動をするが

今までに流した涙は祖父母がなくなった時ぐらいでしたが当時は昼ハローワークに求職活動をして結果が惨敗になり夕方からは家に帰ってきて己の無力さに涙した日が1ヶ月ほど続きました。今までに見たことのない私の泣き顔と半端ない気持ちの落ち込みを悟った妻が精神科への入院を促してきました。
私自身は、それなりのプライドもありましたし自分ではやれると思う自信があったにも関わらず結果が出ないことが自信喪失につながったりしていた時期でもあったので長い人生の3ヶ月ぐらいゆっくり休んで治療に専念しようと考えました。

明石こころのホスピタルという精神科を専門とする病院に入院することになりました。
最初は、問診と投薬や理学療法等から治療が始まりました。完全隔離状態の入院に最初は戸惑いしか感じませんでした。
でも、同じ境遇の人たちがいるのでそれなりにお互いのことを分かり合おうとしますし、みんな同じ病気で悩んでいることもあるのでどんな薬を飲んでいるとかどんな問診をしているのかとか色々な世代の人たちとあそこまでコミュニケーションが取れるのが不思議な感じでした。

電気けいれん療法との出会い

その中でも、年配の女性の方と病気のことで話をする機会がありました。その時に初めて電気けいれん療法があることを教えてもらってものすごい効果があるからあなたもやってみたらと勧められ、自分から担当医にECTサイン波治療器での治療を志願しました。

従来型電気けいれん療法では記憶があいまいになる

担当医も承諾してくれましたが、副作用の一つとして記憶があいまいになることがあるからと告げられました。
しかし、記憶が少しぐらい飛んでも今の病気が回復するならと躊躇することなく治療に入りました。
明石こころのホスピタルでは、旧型と言われて木の箱に機械が入っているような医療機器ということしかわかりません。

しかし、1台しかなくそれを他の患者さんも使っているせいかいつも予め日時を設定してから当日の朝は絶食するというのがルールでした。
それで、点滴から睡眠薬を投与され意識がなくなったところで電気けいれんをするのですが完全に寝ている間に終わっているのでどんな治療が施されているのかはまったくの未知です。
私の場合は、電気けいれん療法の副作用と言われる記憶については曖昧な感じでしたので昔のことが思い出せないことがあった反面、治療の効果というのは気持ちの問題でもあるのですがECTを受けて少しずつしっかりしてきたように感じることができました。
合計3ヶ月の入院で7回ぐらいECTをしましたが日々良くなっていく実感は沸いてきました。治療との因果関係は自分ではわからないですが薬も減り状態も上がってきていたので退院間際にはとても元気でした。

これから電気けいれん療法を受けたい方へのメッセージ

電気けいれん療法は、好む人と好まない人にやはり分かれてしまうと思います。しかし、何もしないで投薬だけで治療するよりは電気けいれん療法を取り入れることは劇的にいい方向に変化できる一つの選択肢ではないかと思います。実際に、私自身体験してみて元気になりました。
今では入院中の主治医が独立されたのでそこのクリニックにお世話になっています。
今ちょうど、社会復帰で正職員として9カ月目を迎えていますが無理のない範囲で自分の病気を否定するのではなくなってしまったものは仕方がないと思いどう向き合っていくのかと日々考えながら体への負担も考慮して働ける職場に感謝しています。

ECTの継続性については、やはり主治医とのコミュニケーションが大切になってくると思います。
他の病気と違って目に見えない病気なので、ご自身の思いと主治医の思いに大きな乖離があり、信頼できない場合は主治医を変えてもらう勇気は必要になるでしょう。
最後になりましたが、これから電気けいれん療法を受けられる方へ私からお伝えしたいことは何も怖がる必要もなければ副作用も一瞬記憶が飛んだりはするかもしれませんが、私自身社会復帰して昔やっていた仕事のことはきっちり覚えてそのスキルは今の職場でも十分に発揮できています。
ですから、問診と投薬を続けるよりはまずECTをやってみてから気に入らなければ中止すればよいと思います。
そのECTに踏み切る少しの勇気を出してみてまた以前のような自分を全て取り戻しましょう。

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