衝撃!うつ病にかかった人の完治率は40%しかない。完治と寛解の違い

抗うつ剤うつ病

うつ病の主な原因はセロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミンの分泌量が少なくなってしまうことと言われていますが、だからといって薬でセロトニンやノルアドレナリンの量を増やしてあげたからすぐに治るものではありません。
確かに分泌量が増えてすぐに治る人もいますが、初めてうつ病にかかった人の完治率は40%と言われており、残りは完治していないことがわかります。
何十年も薬を飲んでいるのに、完治しないという人もたくさんいるのが現実です。

長年うつ病にかかっていると、治るという感覚がわらかなくなってしまうことも多いです。
うつ病になると何をしても楽しくなかったり、イライラや不安に苛まれたり、ネガティブな考えしか浮かばなくなってしまいます。
ずっと脳がこういう状態で続いてきたので、それ以外の状態がわからなくなってしまいます。

うつ病は完治ではなく寛解

うつ病モードに脳が慣れてしまうと、完治は難しくなります。
昨日までうつ病で、今日いきなり完治するというような治り方はうつ病にはありません。
なんとなく以前に比べると心が乱されなくなったと感じたり、つまらないことで怒らなくなった、楽しいと思えることが増えた、などと感じていくことはあります。
つまり、うつ病は寛解はするけれども完治はない病気ということです。

完治しないというと絶望的な感じがしますが、寛解はします。
以前に比べると生きやすくなったというのであれば、それは楽になっている証拠です。
寛解は、病気の症状が一時的、あるいは継続的に軽減した状態です。
または見かけ上は消滅した状態です。

うつ病などの精神疾患は再発する恐れがある病気ということで、完治ではなく寛解という用語が使われています。
このことを知っておけば、いつまでも治らない自分はおかしいのではないかと悩まずに済むでしょう。
治ったと言われた人でも、なんらかの症状は残っている可能性があるということです。

うつ病は合併症で起こる事も多い

うつ病は単独で発症することもありますが、他の精神的な病気の合併症で起こることも多いです。
例えば摂食障害ではうつ病を合併することがありますが、こういう依存型の病気を伴っていると、治りたいけれども治れないという葛藤が生じてしまいます。

摂食障害の場合は、治ってしまうと太ってしまう、普通の体型になると誰も自分を大切にしてくれなくなる、などの心的葛藤が生じます。
この場合は薬を飲んで治そうとしても、心が激しく拒否するのでセロトニンが増える増えないの問題だけでは済まなくなってしまうこともあります。
また、治りたくないから処方された薬を飲むのをサボってしまうケースもあります。

アルコール依存症なども、飲みたいという気持ちが治りたいという気持ちに勝ってしまい、飲んでまた後悔するということを繰り返すこともあります。
依存症の合併症として起こるうつ病は、根が深いので単独で発症した時よりも治療が難しいです。

抗うつ剤を飲めばセロトニンの量が増えて治るというのはあくまで理屈の上の話です。
このセロトニン仮説も、うつ病で亡くなった人の脳を分析したら量が減っている人が多かったというだけで全ての人に当てはまるわけではありません。
うつ病の原因はセロトニンの分泌量だけではなく、今までのトラウマや患者自身の性格、考え方、遺伝的要素などが複雑に絡み合っています。
なので、薬を飲みさえすればセロトニンの量が増えて完治するという単純なものではありません。
また、セロトニンとノルアドレナリンに関しては抗うつ剤で増やすことも出来ますが、ドーパミンに効果が抗うつ剤はありません。
うつ病は個人差があるので、ドーパミンが減少している人は電気けいれん療法を受ける事を考慮した方が良いでしょう。

うつ病には心理療法も効果的

うつ病を改善方向に向かわせたいのであれば、服薬治療だけではなく認知行動療法などの心理療法も受けた方がいいでしょう。
心療内科などの病院では問診と体の状態をチェックして、問題がなければ今までと同じ薬を処方されて終わりです。
これを延々と繰り返しているだけですから、考え方の基礎がバラバラになっている人は短い診療時間だけでは改善が難しいです。
心理療法はカウンセリングも兼ねて時間をかけて行うので、間違った考え方を正していきやすいです。

寛解の目安は社会復帰

寛解についてですが、多くの場合は社会復帰を目安にしているようです。
仮にうつ病で会社や学校から離れてしまったとしたら、その場に戻っていくのが社会復帰です。
これに手を貸している病院や機関も増えています。職場だとメンタルヘルスに力を入れるようになってきているので、提携もしやすいでしょう。

ただし、この社会復帰を果たしたからといって完全に治ったわけではありません。
職場に復帰したとしてもまた気持ちが落ち込んでしまう可能性はありますし、通院して薬を飲み続けなければぶり返す可能性が高いです。
その意味で、完治はないけれども寛解の可能性はあるのがうつ病です。

人間は他の人間と関わり合いながら様々なことを考えながら生きています。
生きている以上は嫌なこともあります。それに対して考え方の土台がしっかりしていないと、自分がわからなくなって再発する可能性は高いです。
寛解に至るには、ゆるく考えられるように考え方の基本を覚えていくのがいいでしょう。
気づいたら楽になっていたら、寛解が近づいてきている証拠かもしれません。

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