健康に過ごしたいなら肉ばかり食べず、もっと野菜を食べよう――。そんな「常識」を覆す研究結果がこの夏、学術誌に発表された。ジャーナル・オブ・アフェクティブ・ディスオーダーズ(オンライン版)によれば、肉を食べないと鬱病のリスクが高くなるという。
菜食中心の食生活が精神衛生にどんな影響を及ぼすか、医学的にはあまり分かっていない。そこでイギリスとアメリカの共同研究チームは、イギリスで世帯ごとの食生活を自己申告させた過去の調査データを分析。その結果、菜食主義だと答えた男性は肉も食べる男性に比べて鬱病になるリスクが高いことを突き止めた。
調査は妊婦約1万人の成人男性パートナーを対象に、菜食主義かどうか(菜食主義者だと回答したのは350人)、特定の食品を食べる頻度、産後鬱になるリスクを評価するエディンバラ産後鬱病自己質問票(EPDS)での点数などを自己申告させたもの。分析の結果、菜食主義者とそうでない男性では、菜食主義者のほうがEPDSのスコアが鬱になる最低ラインとされる10点を超えるリスクが高いことが分かった。
今回の分析結果は、人々が「菜食主義」を厳密にはどう捉えているかもあぶり出した。自称ベジタリアンの男性はハンバーガーやホットドックは口にしないものの、脂っこい魚や貝類を肉食の男性並みに食べ、牛肉などの赤肉も口にしていた。
自称ビーガン(完全菜食主義者)の場合も、72%が赤肉も多少は食べると回答した。
研究チームが示唆しているのはあくまでも、菜食中心の食生活と精神衛生との関連性だ。菜食主義者のほうがビタミンB12など赤肉に含まれる栄養分の摂取量が少なく、それが鬱病につながる可能性がある。今回の発見を受けて、肉と鬱の関係の検証に弾みがつくだろうと研究者らは期待している。
栄養と鬱病との関係が次第に明らかになるなか、栄養神経科学の分野では栄養が認知、行動、感情に及ぼす影響の研究も始まっている。精神障害を抱える多くの患者に不足しているのは、魚に含まれるオメガ3脂肪酸や肉類に多いビタミンB群などだ。13年の研究では、ビタミンB12のサプリメントと抗鬱剤を組み合わせることで、鬱病の症状が大幅に軽減されることが分かっている。
うつ病と言うと、「気の持ちよう」とか「考えすぎ」と言った事を言う人が多いですが、実際には食事や睡眠、運動などと密接に関係しているんですよね。
特に食事は記事にあるように、青魚や肉をしっかりと食べる事も大切なんです。
うつ病になると、食事も美味しく感じなくなりますが、ある程度は無理にでも食べた方が良いかもしれません。
食事を変えたからと言って、すぐに良くなるものでもないですが、長い目で見ると必ず効果は表れてきます。
難しいですが、食事や適度な運動、十分な睡眠を取る事を心掛けてみましょう。
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