うつ病でのカウンセリングの役目|一人で解決できない時は

カウンセリングうつ病

うつ病になりやすい人の性格特徴として、生真面目、完璧主義、何事も白黒はっきりつけないと気が済まないなど、まじめすぎるゆえにいい加減なことが自分にも他人にも許せないという特徴があります。

しかし、学校でも職場でも色々な人がいる中で、融通が利かない性格は、本人にとっても生きづらく、うつ病につながってしまうことがあるようです。
まじめゆえに、自分の弱点を人に知られたくないというところもあり、それがますます友達や、周囲の人に相談できず悩むことになるようです。
どんなつまらないことでも口に出して発散できるタイプなら良いのですが、うつ病の人は気分転換があまり上手でないことも多く、一人で考え込む時間が増えてしまいます。
仕事のことで悩むあまり、休日には外に一歩も出ず、そのことばかり考えて煮詰まってしまう。

うつ病になった時に助けになるカウンセリング

家族がうつ病のようになってしまった、もしくはうつ病になってしまったというとき、一番先に薦めたいのはカウンセリングです。
家族が話を聞いてあげると、同情しすぎたり、逆に冷たく怒ってしまったり、うつ病患者の感情に巻き込まれてしまいます。
その点、プロのカウンセラーは客観的に話を聞くことができますから安心です。
うつ病と診断されている場合は、精神科医にカウンセラーを紹介してもらうとよいでしょう。
同じメンタルクリニック内の臨床心理士でもよいですし、カウンセリングルームを開設しているカウンセラーを訪ねてもかまいません。
今もっているモヤモヤとした気持ちをすべて吐き出せるカウンセリングがまずは必要です。

カウンセリングの技法「ロジャーズ法」「認知行動療法」

カウンセリングの技法には、ロジャーズ法といって、傾聴をメインにするやり方と、認知行動療法のような、カウンセラーと共に解決策を模索するようなカウンセリングがあります。
今現在、うつ病に効果的と言われているのが、この認知行動療法です。この技法によるカウンセリングの役目は、うつ病患者の考え方の癖を見つけ出すことです。先ほど例に挙げたような、完璧主義や白黒思考などがよく取り上げられます。
うつ病になる人の特徴として、グレーゾーンがないことがあげられます。
話をしながら、カウンセラーが「こういう考え方もありますよ」というような、思考の多様化を促します。
「これがダメなら、あれがある」というような考え方をうつ病患者に知ってもらう事から始めます。
そして、自分の行動をカラム表という表を作成して、その時の気分などについて点数をつけ、自分を客観的に見る癖をつけます。カウンセリングが進むうちに、だんだんといろいろな考え方があることに気づき、修正していき生き方が楽になっていきます。まずは、相性の良い、話しやすいカウンセラーをみつけることが大切です。また、カウンセリングはうつ病患者だけではなく、うつ病患者を支える家族のためにも行われます。

ストレスと距離を置いて

うつ病患者を支える家族の心労は大変なものです。家族までがうつ病になってしまうということは少なくありません。
うつ病は休職や退職するケースも多く、心理的ストレス以外にも、家族には経済的なストレスもかかってきます。
うつ病は脳の病気です。心の病気だと思い、自分の弱さを責めてしまう患者も多い病気です。
そうした自責の念から解放されるためにも、適切な治療施設で、まずはゆっくり休養をとり、仕事のストレスから距離をおくこと、うつ病が重症化しないためには、いかに早くその兆候に気づき、休むかということが大切になります。

薬とカウンセリング両輪でうつ病を克服

そして、メンタルクリニックでの抗うつ剤などのお薬は怖がらずに飲むことです。
うつ病患者の中には、自分を責めるあまり、薬を飲むことを嫌い、捨ててしまうという患者もいるようです。
しかし、お薬とカウンセリングは車の両輪です。片方だけでは走れません。
生き急ぎ、頑張りすぎてしまったのですから、ここからはゆっくりと進もうと思うことが肝心です。

カウンセリングは進化しています

カウンセリングはどんどん進化しており、認知行動療法もどんどん進化しています。
カラム表などになじめなくても、あるがまま自分の頭に浮かぶ、嫌なことがらをそのまま受け流すというような新しい方法も出てきました。
そちらの方が簡単だという人もいるようです。ある程度うつ病がよくなってきたら、コーチングのようなカウンセリングもよいかもしれません。
しかし、まずはあせらずじっくり話を聞いてるカウンセリングを受けてみましょう。
思いがけず、心がすっきりし、狭かった視野が広がる体験をすることでしょう。
そして、何の批判もされず受け入れてもらえる体験をすることで、一歩前に進む勇気が得られる、それがカウンセリングの役目であり、いいところです。
合わないなと思ったらどんどんカウンセラーを変えていいのです。
なにも恰好をつけず自分のありのままを見せられるカウンセリングは、安全な場所であり、カウンセラーには守秘義務がありますから、秘密も守られます。
気軽な気持ちでカウンセリングを受けてみれば、思いがけない自分にも出会えることでしょう。

コメント

  1. […] どうしても無理な場合はカウンセリングをして話を聞いてもらうようにしましょう。 カウンセラーは話を聞くプロですので、なにを話しても大丈夫です。そして話すことで落ち着く場合もあります。 他にも必要な対策としては、焦らないことがポイントとなります。 焦ると余計に精神状態が悪化していきますので、落ち着いたリラックスできる環境を作ることも大切です。 動けなければ寝ていても構いませんが、動けるようであれば毎日朝日を浴びることを意識しましょう。散歩から動き出してみるのもひとつの方法となります。 うつ病の予防とかかってしまった後の共通事項はなるべく質の高い睡眠を取る事、朝日を浴びることが対策となります。 これは誰にでもすぐできることですので普段から意識しておくことが必要となります。 うつ病はかかると長く、かかっている本人は途中、終わりが見えない気持ちにもなります。 しかし回復は必ずする病気ですので、そこは知識として頭に入れておきましょう。 規則正しい生活をし、栄養バランスをよくすることで大分異なりますので、かかっていない人は普段の予防と対策を、かかっている人も焦らず回復させるようにしましょう。 […]

  2. […] 抗うつ剤などの薬を飲んでいる期間はまだ治療中であり、その中で働くために環境を整えるということもしておくことが求められます。 例えば、骨折などで半年近くの入院を余儀なくされる場合、退院した後もいきなり働きだし、肉体労働をこなすということは大変酷です。 段階を踏んで元の仕事量に戻すまでは治療期間と思えば、焦ることもなく、戻していくことができます。 うつ病の治療期間も同じであり、段階を踏んで元の仕事量に戻すまで補助として薬や医師のカウンセリングは必要不可欠です。 こうした認識が広まり、理解していくことでむやみに薬の服用をやめるよう、うつ病患者に求める動きは少なくなっていきます。 […]

  3. […] 臨床心理士によるカウンセリングでは話し合いを通じて自分の考えについて気づきを得ていきます。 […]

  4. […] 自分が愛している人と死別した時など、人は心に大きな傷を負う事になります。 感情表現が得意な人は人前でも思いっきり泣く事が出来ますが、泣くこと自体が苦手な人は、カウンセリングを受けて涙を流すようにしましょう。 「人に話しても何も解決しない」と考えがちですが、話すことでそれまで見えていなかった事が客観的に見えるようになります。 もちろん死んだ人は生き返りませんが、何度もカウンセリングを受けて涙を流すことは、PTSDになる事を防ぎ、あなたのこれからの人生を前向きに生きる手助けになります。 また、自分を何度も責めたりすることは、うつ病を悪化させる事にもつながるので、初期段階で心のケアをする事は大切です。 […]

  5. […] うつ病でストレスが多いと、自律神経が乱れて吐き気を催す事があります。 ストレスで胃腸の働きが悪くなり、上手く消化できないことで吐き気が起こります。 この不調が続くと悪化してしまい、食べ物が逆流しもどしてしまいます。さらに、胃腸の粘膜が傷ついてしまい病気を併発する可能性もあります。 ストレス解消にストレッチやヨガを取り入れてみるのも良いでしょう。 また、うつ病の初期段階で悩みがある時は、カウンセリングが有効になります。 […]

  6. […] うつ病を改善方向に向かわせたいのであれば、服薬治療だけではなく認知行動療法などの心理療法も受けた方がいいでしょう。 心療内科などの病院では問診と体の状態をチェックして、問題がなければ今までと同じ薬を処方されて終わりです。 これを延々と繰り返しているだけですから、考え方の基礎がバラバラになっている人は短い診療時間だけでは改善が難しいです。 心理療法はカウンセリングも兼ねて時間をかけて行うので、間違った考え方を正していきやすいです。 […]