日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」は12月14日、「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果を発表
調査は今年7月~9月の間、全国の上場企業2273社を対象に実施
■年代別では40代が心の病を患う人がもっとも多かった
「40代」は前回調査と比較して3.4ポイント上昇し35.8%で、全年代中で最も高かった
心の病が最も多い年齢層は、前回同様40代(35.8%)と30代(32.6%)が拮抗する結果に
■一方で、若年層の増加率も深刻な状況に…
調査によると、前回調査(平成26年)に比べ、心の病が10〜20代で急増していることが分かった
14年までは10%台で推移していたが、17年は27.9%となった
■メンタルをすり減らす若者…その理由は?
職場での人間関係
業務量や仕事との相性ももちろんありますが、やはり職場の人間関係が原因といわれています
春に新入社員が入ってくるタイミングで人間関係がぐちゃぐちゃになる職場もあれば、合併・統合によって社内全体の雰囲気が悪化する会社もある
職場では「競争」「陰口」「比較」「嫉妬」は付き物で、これらが原因で職場うつを発症するケースが多い
求められる高い要求
コンピューターやITの進歩によって、毎日の仕事に質と量をともに効率的に求める高いレベルが必要になってきた
新人にも即戦力としての役割を求め、経験と能力に見合わない過度の負担を課す傾向が企業の間で強まっている
精神的プレッシャーに伴う強い不安から悲観的になり、自殺企図のような衝動行為に至るということも稀ではありません
過剰なパワハラ
最近では、パワハラなどによる若手の罹患が増えている
自分の行いを善であると信じ込み、部下のミスを執拗に責め、暴言を吐き、うつや休職に追い込む上司
パワハラを受けて精神的に病んでくるとだんだん無気力になってきて、嫌な上司の顔を見るだけで怖くなって体が震えだしたりすることも
■心の病は今や珍しい病気ではありません
「うつ病」と聞いて、自分とは無関係な病気だと思う方が多いかもしれません
厚生労働省による「平成26年患者調査」によると、日本でのうつ病患者数は約112万人となり調査開始以来最多となった
うつ病は、誰にでも起こりうる病気です
■異変を感じたら早期に医療機関へ
治療をせずに自然によくなることもありますが、絶望や苦しみにより自らの命を絶つことにつながる危険性もあるため、早期の医療的ケアが必要です
精神科を受診するのに抵抗があるのであれば、心と身体の両面から診察してくれる心療内科を受診するのもよいでしょう
未だにうつ病を「心の病」と言うのは・・・
この記事を書いている人を責めるわけではないですが、うつ病を「心の病」と表現しています。
日本ではいまだに「心の病」や「心の風邪」と言う表現をしていますが、医学的には「脳の病気」です。
人間の喜怒哀楽をつかさどっているのは、当たり前ですが脳になります。
それ以外にも、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)も脳がそう判断しているのです。
うつ病になって、苦しんでいる事を家族や友人に相談すると、「何がそんなに苦しいの?」と聞かれます。
仕事を休んで、家で一日中寝ているだけの私を見ていると、苦しい事なんか何も起こっていないように見えるのですから、当たり前と言えば当たり前です。
しかし現実には「私が苦しんでいる事に理由なんかない」のです。
ただ、脳が「尋常ではなく苦しい!!!」と判断してしまっているのです。
もしうつ病が「心の病」であれば、「気をしっかり持てば、大丈夫!」となるのですが、問題はそんな単純ではありません。
そんな事でうつ病が良くなるのであれば、誰もこんなに苦しんだりしないのです。
「心の風邪」と言う表現はもっとたちが悪いですよね。
風邪なんか、1日2日休んだら回復します。
しかし、うつ病は何年も何十年も苦しみを味わい続けるのです。
うつ病の本当の苦しさ、医学的な見解を無視している日本では、うつ病は軽視されがちです。
そのため、パワハラや過重労働などうつ病を発症しかねない仕事内容になってしまっている側面もあると思います。
もっと、うつ病を医学的に正しく理解させていく運動が必要だと思います。
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