DNAチップ研究所は2018年3月までに、採血した血液からうつ病関連遺伝子の有無を判定する診断サービスを始める。検査は約2・5ミリリットルを採血するだけで済み、患者の負担が少ない。価格は1件当たり約5万円を見込む。企業に従業員の心理的な負担の点検を義務づける「ストレスチェック」制度の一環として企業の健康保険組合や診療所に提案し、18年度に約1000件の販売を目指す。
同社と国立精神・神経医療研究センターは16年1月、うつ病の病態に関与する複数の遺伝子を見いだした。さらに服薬していないうつ病患者と健常者の遺伝子の有意差から、両者を一定精度で分類できることを公表した。この研究成果を基に臨床サンプルを収集、検証してサービスの実用化にめどをつけた。
うつ病遺伝子の有無の判定には、遺伝子の発現状態を解析するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)装置を使う。同サービスは厚生労働省から保険診療の承認を得ていないため、患者は医療費を全額負担する自由診療となる。
うつ病は抑うつ気分、意欲や興味、精神活動の低下、不眠、食欲低下を特徴とした気分障害の一種。日本で治療中の患者は約100万人に上る。
うつ病の血液検査は日々進化していますね。
この検査はうつ病の遺伝子を調べるものですが、うつ病の客観的検査が出来る血液検査も出てきています。
これまでうつ病は数値として出す事が出来なかったので、「うつ病=怠け病」と言った偏見のまなざしで見られることも多くありました。
この記事にある検査は自己負担なので、金銭的に誰でも受けられるわけではありませんが、本当に必要としている人にとっては喉から手が出る程欲しい検査だと思います。
この遺伝子検査は、主に2つの価値があると思っています。
1つ目は、うつ病を特定する事によって、的確な治療につなげる事が可能になってくるでしょう。
治療効果が検査データにどの程度影響を与えるかにもよりますが、今後多くのデータを蓄積する事によって、効果的な治療方法を絞り込んでいく事が可能になると思われます。
そしてもう一つは、うつ病は非常に辛い病気だという事を理解してもらえるという事です。
健常者は、うつ病の辛さをどうしても理解できない、もしくは理解しようとしない側面があります。
そのため、「誰でも辛いんだ」と言った心無い言葉を浴びせかける事があります。
しかし、客観的に病気を証明する事によって、仮病ではなく本当の病気だと自他ともに認めさせることが出来るのです。
サラリーマンであれば、会社を休職しなければいけない事を同僚や上司にしっかりと伝える事が出来ます。
休職をさせる会社側としても、問診だけでは休職をさせにくいケースでも、この遺伝子検査を取り入れる事で、本当に休職が必要な社員にだけ十分な休養を取らせることが出来ると思われます。
正確度がどの程度かは現時点では分からないですが、高い正確度であれば、将来一般的なうつ病検査になるかもしれませんね。
コメント