うつ病はやる気の問題!いえいえ、やる気を出したら悪化しますよ。

やる気うつ病

「うつ病なんか、やる気の問題だ!」
いや~、吐き気がする意見ですよね。

うつ病の事を全く理解していない人って、本当にこう言う意見を言いたがるんですよ。
自分が理解出来ないものは、間違っていると言う考えが見え隠れして、嫌悪感ら抱きます。

「うつ病】と「うつっぽい」の違い

うつ病でやる気が出ていない人に対して「気持ちの問題だ!」と言う人に共通しているのは、うつ病とうつっぽい状態を混同している事が挙げられます。
「うつっぽい」と言うのは、それこそ気がのらない状態です。
嫌な事をする時などは、誰でも気分がすぐれず、逃げ出したくなりますよね。
あるいは、「面倒くさい」と言う表現もします。
これは、気持ちの問題で誰でも経験する事です。
この状態を「うつ病」と混同しているために、「やる気の問題」と一言で片づけようとするんです。
でも、うつ病は脳の病気なので、気分がすぐれないとは全く異なります。

うつ病でやる気が出ないメカニズム

うつ病になると、やる気が出ないのは仕方がない事です。
うつ病では脳内神経伝達物質である「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」と言ったモノアミンが減少します。
この脳内神経伝達物質がやる気などの意欲的な感情を引き起こすので、それが減少しているとどうしてもやる気が出ないのは当たり前です。

では、なぜセロトニンを始めとする何故脳内神経伝達物質が減少してしまうかと言うと、完全に解明されてはいませんが、コルチゾールと言うストレスホルモンが関与していると言われています。
ストレスがかかると、まずアドレナリンが分泌されます。
アドレナリンが分泌されると、体内の血管を場所によって収縮・拡張させる効果があります。
そうする事によって、血流をコントロールして、ストレスがかかった状態でも、適切な判断や迅速な行動が出来るようになります。
アドレナリンが分泌される分には問題にならないのですが、更にストレスがかかると副腎と言う臓器からコルチゾールが分泌されます。
少量であれば、抗ストレスになるコルチゾールも、大量に分泌されると脳の神経細胞の成長に関わるBDNF(脳由来神経栄養因子)の生成を阻害します。
その結果、脳の神経細胞が委縮してしまい、セロトニンを始めとする脳内神経伝達物質が減少してしまいます。

うつ病でやる気を起こすのは危険!

多くの健常者が間違いをしている「やる気」ですが、うつ病者に無理強いをすると悪化するので危険です。
やる気がどうしても出ない状態で更に無理をすると、多くのストレスをかけてコルチゾールを大量に分泌させる事になります。
ストレスが原因でうつ病になったところに、更にストレスをかけるので軽度のうつ病の人は、重症化してしまいます。
また、寛解していた人でも同様の減少が発生します。
せっかく脳の機能が日常生活を送れるくらいに回復していても、やる気を無理に出すと再発をしてしまいます。
厄介な事に、うつ病は一度発症すると、寛解しても再発しやすいリスクは高いままです。
そのため、症状が収まっていたとしても、無理な「やる気」は禁物です。

「やる気が出ない」のは体の危険信号

人間の身体は良く出来ています。
うつ病になるほど頑張ってきた人に対しては、身体が危険信号を出します。
それ以上無理をすると心身ともにボロボロになると言うサインです。
「やる気」もその一つで、体中から危険信号を出している状態なのです。

どうしてもやる気を出さなければいけない時

とは言っても、どうしても「やる気」を出さなければいけない時と言うのはあります。
私のコミュニティでは、障害年金を受給する時の書類準備に関しては、敢えて全力でするようにお願いしています。
それ以外は絶対に無理をするような事は言いませんが、障害年金が受給できると後々の精神的な不安を取り除く事が出来るからです。
そういう絶対に頑張らないといけない時は、頓服を飲むしかありません。
もちろんお勧めできる方法ではありませんが、頓服を飲まずに「やる気」を出そうと無理をすると必ずうつ病は悪化します。
それよりも、医師が処方している範囲で頓服を飲んで「やる気」を出す方が無難です。
薬で脳をごまかして、一時的にやる気を出させる事で、目の前の大きな問題を解決しましょう。
そして、解決出来たらその分しっかりと脳を休息させる事を忘れないでくださいね。

コメント