うつ病になると、山のように薬を処方されますよね。
正直、精神科が出す薬を飲むのに抵抗があるのは誰しも少しは感じている事ではないでしょうか?
実際、
- 薬を飲んでも副作用がキツクて、独断で飲まなくなる人
- 周りから反対されて、断薬する人
- 飲み続けて、依存症になってしまう人
はたくさんいます。
そのため、うつ病で処方された薬を飲まないと頑なに拒む人が後を絶ちません。
薬には効果と副作用が共存しているので、それを理解する必要があります。
抗うつ剤の役割と注意点
まず、抗うつ剤の役目ですが、あくまで対症療法に過ぎません。
つまり、うつ病で処方される薬は、直接うつ病を治すわけではないのです。
これは、風邪薬なども同じなのですが、辛い症状があると、自然治癒力が働かなくなります。
特にうつ病では、ストレスや体の緊張状態が大敵になってきます。
抗うつ剤や安定剤を服用する事で、精神的にも身体的にもリラックス出来ます。
そのため、自然治癒力が働いて、低下している脳の機能を少しずつ回復させてくれるのです。
逆に、断続的にしか服用しなかったり、我慢をしていると、自然治癒力が働かなくなるので、うつ病の回復に時間がかかります。
短期間にしっかりと処方された抗うつ剤を服用する事が、うつ病を早く改善するポイントになります。
うつ病が長期化した時は注意が必要
うつ病は何年もの間、回復しない事があります。
あるいは、良くなったり悪くなったりを繰り返す人も多くいます。
大うつ病は基本的に、抗うつ剤を服用して、ゆっくり休息を取る事で自然に回復すると言われています。
しかし、新型うつ病では、思うように抗うつ剤が効果を発揮しないで、長期化する事が多くあります。
そんな時に注意が必要なのが、ベンゾジアゼピン系の依存症です。
ベンゾジアゼピン依存症
ベンゾジアゼピン系は、睡眠薬や抗不安薬に含まれている成分で、
- 抗不安作用
- 催眠
- 鎮静作用
- 抗痙攣作用
- 筋弛緩作用
があります。
基本的には安全性が高い薬ですが、長期投与における常用量依存には注意が必要です。
インターネットでは、ベンゾジアゼピン系の依存症状を過剰に煽る投稿があるため、依存症が怖くて自己判断で断薬してしまい、失敗してしまい逆に依存症状が強く出るケースがあります。
依存症に関する知識を付けるのは良い事ですが、断薬に関しては主治医に相談して適切な方法を取ることが大切です。
睡眠薬のベンゾジアゼピン系一覧
- アモバン
- マイスリー
- ハルシオン
- レンドルミン
- リスミー
- エバミール・ロラメット
- ユーロジン
- ネルボン・ベンザリン
- エリミン
- サイレース・ロヒプノール
- ドラール
- ソメリン
- ダルメート・ベノジール
抗不安薬のベンゾジアゼピン系一覧
- コンスタン・ソラナックス
- デパス
- リーゼ
- コレミナール
- セニラン・レキソタン
- ワイバックス
- セレナール
- セパゾン
- メンドン
- コントール・バランス
- セルシン・ホリゾン
- セダプラン
- エリスパン
- レスタス
- メレックス
- レスミット
- メイラックス
うつ病の薬の副作用
うつ病の治療には、抗うつ剤が欠かせませんが、副作用も多くあります。
SSRI、SNRI、やNaSSAは、昔から使用されている三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬に比べると副作用は少ないといわれていますが、それでも飲み始めは特に吐き気や胃のムカつきなどが出る事があります。
抗うつ剤は効果を発揮するまでに2~3週間かかると言われています。
そのため、初めに副作用だけ出る事が多いのですが、徐々に体が慣れてくると、吐き気などの副作用は収まり、次第に効果が出てくるので、独断で服薬を中止する事がないようにしましょう。
それ以外に、継続使用する中には、眠気、口渇、便秘と言った副作用があります。
特に眠気を強く感じる場合には、車の運転や機械の操作は危険ですので、やらないようにしましょう。
便秘に関しても、便通が悪いまま放置しておくと痔になってしまう可能性があるので、主治医に相談してみましょう。
必要に応じで、マグミットや漢方薬などで便通を良くすることが出来ます。
精神的な副作用は注意
精神的な面で副作用が生じるケースもあります。
例えば、攻撃的になったり、焦燥感や不安感が強く出たり、逆に「総状態」になり何も怖くなくなるケースがあります。
これらの精神的な副作用は、うつ病治療において非常に重要なポイントになってきます。
特に「総状態」になる場合には双極性障害の可能性があります。
双極性障害とうつ病とは治療薬が異なるので、精神的に異常を感じた時には速やかに主治医に報告するようにしましょう。
うつ病では薬を勝手にやめない
精神科で処方される薬は、なんとなく怖いイメージを持つ人が多くいます。
中には、会社の同僚や家族に服薬する事を止められるケースさえあります。
しかし、うつ病を早期に改善するためには、ある程度の薬を飲まなければ治す事は困難です。
医師は、副作用や依存症なども全て考慮した上でうつ病の薬を処方しています。
独断で薬を飲まないようになると、依存症状が強く出たり、うつ病を悪化させる要因になります。
飲んでいる薬が合わない場合や、不安なケースは飲むのを止めるのではなく、必ず主治医に相談をして下さいね。
うつ病で薬を飲まない治療法
うつ病治療の中には、厚生労働省が効果を認可していて、薬を飲まない治療法もあります。
それが、認知行動療法と電気けれん療法です。
認知行動療法
認知行動療法では、軽度・中度のうつ病に効果が高いと期待されています。
ストレスがかかりやすい思考の癖を修正するのですが、効果が高い方法は認知行動療法を熟知した人とのマンツーマンです。
保険点数の関係上、認知行動療法は医師にとって費用対効果が悪い治療法になっているので、日本ではなかなか普及していません。
また、認知行動療法を取り入れている所でも、グループワークをする事で一気に治療費を稼ごうとしている病院もありますが、あまりおすすめは出来ません。
認知行動療法をするのであれば、病院でどのような内容を行っているかをしっかりとヒアリングしてから参加する事が大切です。
電気けいれん療法
電気けいれん療法は、名前の響きだけで敬遠されている治療法ですが、薬物療法よりも歴史は古く、即効性があるのが特徴です。
修正型電気けいれん療法やサイマトロン治療器を取り入れたパルス波治療など、種類が多岐にわたっていますが、効果はほとんど変わりません。
一方で、副作用に関しては治療法によりかなり異なるので、安全で副作用の少ない電気けいれん療法を実施している病院を選ぶ事が大切です。
認知行動療法と電気けいれん療法を組み合わせる
薬を飲まないでうつ病を改善するためには、認知行動療法と電気けいれん療法両方を取り入れる事がおすすめです。
電気けいれん療法は即効性がある反面、うつ病の再発率の高さは変わりません。
一方、認知行動療法は効果を実感するまでに時間はかかりますが、一度自分の物に出来れば、再発のリスクを最小限にとどめる事が出来ます。
どちらもメリット・デメリットがありますが、薬で治らないあるいは、副作用が怖いと言う人は試してみると良いでしょう。
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