うつ病の症状における独り言は、慢性的なストレスから来るものであり、危険な兆候と言えます。
特にサラリーマンで出世したとたんに独り言が増える場合は、「マネージャー病」かもしれません。
マネージャー病
多忙を極める管理職に多い疾患で、狭心症などの心臓血管障害や消化性潰瘍、糖尿病などを発症するリスクが高いと言われています。
主任や係長までは、日常業務は忙しいものの、ある意味自分の仕事をしっかりやっていれば会社からしっかり評価されます。
しかし、課長や部長など管理職になると、グループ全体の売り上げや業績を伸ばさなくてはいけません。
サボりがちな社員や有能とは言えない社員に対しては、言いたくもない説教をする必要もあります。
真面目な管理職程、ストレスによってうつ病を発症するリスクが高まるとともに、大きな独り言を延々言うようになってしまいます。
何を考えているか筒抜けの独り言
行動の全てに対して言葉に発して説明をしている、考えている事全てが言葉として出ているなど、その兆候は周囲にいる人にも簡単に察知できます。
これは、肉体の反応として口や声帯などを動かす事で、ストレスを発散する目的で起こるものであると言われています。
声に出す事で、無意識に不安な気持ちや緊張感を和らげようとしているのです。
周囲に聞こえるような比較的大きな独り言は、軽度のうつ病に顕著にあらわれる症状として認められています。
本人は独り言に気づいていない
独り言は本人にのみ自覚が無いというケースが非常に多いので、周囲がうつ病の可能性を疑い、必要に応じて医師の診断を受けるなどの措置を促すと良いでしょう。
さらに進行したうつ病の症状として、周りには聞こえないレベルの小さな声での独り言があります。
大きな声で言葉を発していた状態は、まだ周囲に対して助けを求める、ストレスを感じているというサインを送っている事になりますが、自分自身にしか聞こえない様な小さな声になってくると、ストレスがいよいよ大きくなり、周囲とのあらゆるコミュニケーションを遮断しなければ耐えられない、という状態になります。
これは極めて危険な症状のひとつで、その病状はかなり深く、本人に自覚が無いのはもちろん、周りに対する繋がりを自ら進んで遮断しようとする心の状態になっているため、うつ病である可能性を説いたり、医師の診断を勧めたり、といった前向きなアドバイスが一切通じなくなってしまいます。
うつ病以外にもある独り言の病気
うつ病以外にも独り言を言う病気はあります。
主な物としては、
- 統合失調症
- トゥレット障害
- アルツハイマー型認知症
- アスペルガー症候群
があります。
統合失調症
幻覚や妄想を伴う精神疾患で、100人に1人程度がなると言われています。
脳内神経伝達物質のうち、セロトニン系・ドーパミン系にトラブルがあると考えられていて、向精神薬による治療が行われます。
トゥレット障害
チックと言う体の一部の速い動きや発声を繰返す状態が一定期間継続する障害で、単純チックの症状から始まり、音声チック、複雑チックへ進行していく病気です。
無意識に奇声をあげたり体が動いたりするので、理解されにくいという特徴があります。
アルツハイマー型認知症
脳にアミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まり、神経細胞が壊れて死んでしまい減っていく為に起こる病気で、認知症の中では一番人数が多いとされています。
アルツハイマー型認知症は、症状が進行してから投薬をしても効果が薄いと言われていて、早期発見・早期治療が大切です。
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群(AS)は発達障害の一つで、社会的なコミュニケーションや想像力に障害がありますが知的障害や言語の障害はありません。
周囲からは「少し変わった人だな」と思われる程度で幼少期を過ごして、大人になってからアスペルガー症候群と診断される人も多いです。
独り言も進行すると治療が困難
独り言も進行すると、治療によって元の状態に戻るという事も困難になってしまうため、より軽度の状態の間に気が付ける事が重要です。
うつ病による独り言は危険な兆候であるという事を認識し、身近な人にそれが見られた時はすぐにうつ病を疑うという習慣が、新たな重症者を増やさない事に繋がります。
早めに対策をとる事で、充分に回復が認められています。
周りの人のわずかな様子の変化を見逃さず、いざという時にすぐに手を差し伸べられるようにしておきましょう。
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