2週間続くとうつ病のサイン?目覚ましよりも早く起きる早朝覚醒

目覚まし時計うつ病

うつ病の兆候にはさまざまなものがありますが、特徴的なものの一つに早朝覚醒があります。

早朝覚醒とは

早期覚醒というのは、前の晩それほど早寝をしたわけではないのに、目覚ましが鳴るよりも早く起きてしまう状態を指します。
深夜0時近くに眠りについたにもかかわらず、6時の目覚ましが鳴る前、4時や5時といった早朝の時間帯に覚醒してしまい、それが2週間以上続いてしまっていれば、明らかに早期覚醒の症状が出ていると考えられます。

集中力の低下や食欲不振、だるさやイライラ、不安感といった、症状が出た期間がわかりにくいものと違って、この早朝覚醒は、不自然な目覚め方が特徴的なだけに、うつ病の兆候のなかでは比較的気付きやすいものとも言えます。

早朝覚醒の種類

早期覚醒の症状が出る人には2種類のタイプがあり、朝の覚醒時に眠気が残っていて、脳や身体全体がなかなか動き出せないタイプと、覚醒そのものはシャキッとしていて、目覚めた瞬間から脳がフル回転しているかのような感覚を持つタイプです。

スッキリしない早朝覚醒は睡眠不足

スッキリしない目覚めの場合、睡眠不足による不調がありありと出ていますので、昼間にも眠気やだるさが残り、早めに医療機関を受診したりするケースが多めです。

脳がフル回転する早朝覚醒は要注意

問題は、妙に冴えた感覚で目覚めたタイプのほうで、しばらくは「年のせいで早く目が覚めるようになった」といったような感じで、軽く考えてしまいがちです。

こういった感覚でいるうちに2週間くらいの期間はあっという間に過ごしてしまいますので、うつ病の兆候であれば、最初の重大なサインに気付きながらも、放置してしまうことになります。

早期覚醒そのものは、不眠症の一種になりますが、他の不眠症とは違って寝つきの悪さはあまりなく、その点からも、病的な覚醒であることに気付きにくくなる要因となっています。

うつ病のサイン

うつ病のサインとしての早期覚醒の症状が出る原因には、強い不安感といったストレスなどさまざまなものがありますが、直接の引き金になるのは自律神経失調症です。

自律神経失調症とは

自律神経失調症は、大まかに言って昼間の活動や緊張状態などの働きをつかさどる「交感神経」と、休息や睡眠、リラックスの状態に導く「副交感神経」のバランスが乱れてしまい、どちらかの働きのみが活発になってしまうものです。

特に早朝覚醒を引き起こしているのが、活動のほうをつかさどる交感神経ばかりが活性化してしまっている状態です。

交感神経が過剰に働いてしまうことで、本来は休息すべき時間である睡眠時にも脳や身体を活発にしてしまい、結果、眠りが浅いまま朝を迎え早朝覚醒することになります。

うつ病と不眠症、自律神経失調症の関係

うつ病と不眠症、自律神経失調症には深い関連性があります。
それは「セロトニン」という脳内物質の存在です。セロトニンは「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」という脳内物質とともに三大神経伝達物質の一つとなっています。

セロトニンの役割

セロトニンは人間の精神面に大きく作用して、心身の安定に深い影響を与えます。
うつ病は、このセロトニンが何らかの原因で正常に生成されずに、著しく不足することで発症するとも言われています。

セロトニンは、アドレナリンとノルアドレナリンのバランスを調整する役割を果たしており、セロトニンが不足することは、2つの脳内物質のバランスを崩すことにつながります。
アドレナリンは興奮した時に出てくる脳内物質で、ノルアドレナリンは恐怖や不安を感じた時に出てくる脳内物質です。

このため、脳は恐怖や不安について意識するほうで活発に働いてしまい、常に強いストレスを感じ、落ち込んだ状態も続いてしまいます。
このストレスこそが睡眠障害を引き起こし、眠りの浅い状態が自律神経に乱れをもたらして悪循環が定着します。
結果、意識するしないにかかわらず、うつ病が進んでしまうことになります。

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