子供が出すうつ病のサインと対処法について

子供うつ病

ストレス社会と呼ばれる現代において、うつ病にかかる人が多くいます。
ですが、うつ病は大人だけの病気ではありません。最近ではうつ病にかかる子供も多いのです。
ただ、子供のうつ病は大人とは少し違う特徴と注意点があります。

子供のうつ病の特徴

大人のうつ病が40歳から60歳の体力が落ちていく時期に仕事や育児などを頑張らなければとする際に発症する、メランコリー型うつ病が多いことに対して、子供のうつ病は親や友達との関係が原因で発症することが多いです。
親や友人の目を気にして、自分がどう思われているのか常に気にしてしまったりすると、子供の自尊心に影響を及ぼします。
いじめなどを受けて、心に深い傷を負う事で、発症するケースも増えてきています。
また、大人は落ち込んで憂鬱になるのに対して、子供はイライラした態度がよく見られます。

子供のうつ病はまだ分かっていないことも多く、大人は自分の感情を表現することができますが、子供の場合は言葉で伝えることが難しくイライラしたり元気がない、眠れない、友人関係を拒絶して引きこもってしまう、身体の痛みを訴える、自分を責める、悲しみの感情を持つ、不登校といった行動で現れることが多いです。
良くあるのが、腹痛や吐き気などを頻繁に訴えるケースです。
内科を受診してもどこにも異常が見つからないにも関わらず、痛みの症状が収まらない場合は、学校や友達関係で何か深刻な問題を抱えていないかを聞いてみた方が良いでしょう。
また、子供にとって痛みは本当に起こっているので、「仮病だ」「怠けてないで学校に行け!」などと言う事は言わないであげてください。

なので、ふさぎ込みがちだけれどもまさかうつ病を発症しているとは思わなかったり、どうしても気づきにくいという側面があります。
気づくことが遅く、適切な治療を受けることができないでいると、思春期を迎えるころには孤独感や自己否定感などを生じどんどん心の病は重くなってしまいます。
また、不登校になったり最悪な場合は自殺を試みたりしてしまうケースもあります。

子供の死因のトップ3に自殺が

思春期を迎えるまでの子供にとって、死因は不慮の事故が大半を占めます。
しかし、10歳を超えるあたりから死因トップ3に自殺が入ってくるのです。
小学校でいうと3年生から4年生くらいになると、子供の間でいじめが顕著化する時期でもあります。
そして、15歳を過ぎると子供の死因の1位が自殺になってきます。
高校受験などこれまでと異なったストレスが、一つの要因になっているとも言えるでしょう。
いずれにしても、「たかが子供の言っている事だ」と軽く考えるのは間違っています。
適切な対応と治療をする事で防げる自殺を決して放置してはいけません。
特に、子供は「逃げ方」を知らないと言えます。
大人であれば、自らの意思で会社を退職・転職したり、引っ越す事も考えられますが、子供一人の力や意思ではとても出来るものではありません。
逃げ場のなくなった子供は、苦しみから逃れるために「死」を選ぶことがある事は決して忘れないでください。

子供のうつ病にはカウンセリングが効果的

子供のうつ病には薬物療法も使用されますが、カウンセリングがとても大切になってきます。
ストレスの原因が何かを特定して、それに対する感情を表面に出してあげる必要があります。
感情を表現するだけでも、子供は落ち着きを取り戻していきます。
大切なのは、「我慢しなくても良い」という事を根気よく教えてあげる事です。
それによって、自分を受け止めてくれる人がいると言う安心感が生まれます。
成長過程にある子供にとって、心のケアをしっかりする事は、その後の成長にも大きく影響を及ぼします。
問題があったからと言って、そこですべてがダメになるわけではありません。
大切なのは、今うつ病で苦しんでいる子供を親がしっかりと受けてめて、適切に対処してあげる事です。

子供のうつ病のサインを見逃さないで!

一言に子供のうつ病と言っても、経緯も違えば原因も違いますし、症状も大人と同じように鬱状態になってしまう場合もあったりするので様々です。
また、子供のうつ病の判断は非常に難しいですが、朝起きられないとか夜眠れないといった生活に支障をきたす状態がずっと続いていることや、学校に行くのが辛い、親しい友人と遊ばなくなったなど変化があった場合には必ずメンタルクリニックなどを受診しましょう。
日ごろの状態とよく比較することが重要です。

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