うつ病は家族の対応が改善の決め手になる。

家族の接し方うつ病

うつ病になると、家族の対応が大きなポイントになってきます。
脳の病気であるうつ病を「怠けているだけだ」「甘えるな」と言う接し方をしていると、うつ病は悪化の一途をたどり、やがて自殺と言う最悪の結果にも繋がりかねません。

うつ病の家族にしてもらいたい対応としては、

  • 励まさない
  • 責めない
  • 病院に同行する
  • うつ病の勉強をする
  • 話しを聞いてあげる

があります。

励まさない

うつ病の人に対して「もっと頑張って!」と励ますのは、禁句とされています。
重症度にもよりますが、精神的にも身体的にも非常に辛い症状を必死になって我慢しているのです。
そのうえ、更に頑張れと言うのはあまりにも無責任と言えます。
日本では頑張る事が美徳とされていますが、うつ病の人は頑張りすぎたためにストレスが限界を超えてしまい、脳がパンクした状態です。
更に頑張ってストレスを増やすと、うつ病は悪化してしまいます。
本気でうつ病を治してほしいと願うのであれば、「頑張るな」と言うのが正しい対応になります。
頑張らない状態を続けて、脳を休息させてあげる事で、うつ病は少しずつ改善していきます。

責めない

うつ病を改善させるためには、リラックスできる環境つくりが大切です。
家族が責めると、うつ病の人は居場所がないと感じます。
家に居てもリラックス出来な状態では、いつまで経ってもうつ病は良くなりません。
うつ病は治るまでに何か月、何年と時間がかかる病気です。
いつまでも家でじっとしていて、働かない日々が続くと、家族としても「本当に大丈夫だろうか?」と焦る気持ちにもなります。
普段は我慢していても、些細な事で「いい加減、働きなさい!」と責めたくなる時もあるでしょう。
しかし、一回強く責めてしまうと、家族の気持ちはスッキリするかもしれませんが、うつ病は一気に悪化してしまいます。
結果として、治るまでに更に長い年月を必要とするので、悪循環でしかありません。

うつ病の人のためにも、ご家族の人のためにも、責める対応は控えるようにしましょう。

病院に同行する

病院に同行して、主治医の話しを聞くことは大切です。
うつ病は個人差が大きい病気です。
病院に同行する事で、うつ病に対する偏見や間違った知識をただす事が出来るだけでなく、うつ病本人の症状と対応策を知る事が出来ます。
服薬している薬の内容や効果、副作用にはどのような事があるのかをしっかり知る事が出来ます。
また、うつ病になると思考力が減退して、不安感が増幅します。
家族が病院に同行する事自体、患者の不安感を和らげる効果もありますし、患者の代わりに適切な受け答えを主治医にする事も可能になってきます。
精神科などに行くことに抵抗を持っているご家族もいると思いますが、一回だけでも同行してあげる事で、うつ病が回復するのも早くなります。

うつ病の勉強をする

多くの人は、うつ病に対して偏見を持っています。
間違った知識で対応すると、悪化させる原因にしかなりません。
インターネット上には様々な情報が溢れかえっていて、中にはうつ病自体を否定する意見も多くあります。
そのため、うつ病の勉強をする時には書籍を用いるのがおすすめです。
最近では「うつヌケ」など漫画になっている物もあるので、まずは読みやすいものから手に取ってみましょう。
電気けいれん療法や磁器刺激治療などもインターネットで調べるだけでは、不十分です。
専門書を出ているので、より正確な情報の収集に努めるようにして下さい。

話しを聞いてあげる

日常的にご家族の人が対応する時には、とにかく聞く姿勢を取って下さい。
うつ病は非常に苦しい病気です。
健常者が味わったことがない程の地獄の苦しみが、絶えることなく襲ってきます。
話しをしっかり聞いて受け止めてあげる事で、うつ病の人は精神的に救われます。
何が苦しいのか、何が辛いのか、どうしてほしいのかなどを聞いてあげて、共感するようにして下さい。
決して「もっとポジティブにした方が良い」など言わないようにお願いします。
アドバイスは聞くまでもなく、うつ病本人が誰よりも理解している事です。
それが出来なくなるのが、うつ病なのです。
そのため、見当違いのアドバイスをする事は、自分の事を理解してくれないと判断されます。

家族の対応で良くも悪くもなる

うつ病は、家族の対応一つで良くも悪くもなる病気です。
うつ病を何年、何十年と患っている多くの家庭では、ご家族の方がうつ病に対して理解を示そうとはしていません。
うつ病本人を苦しめるだけでなく、ご家族の方も長期に渡り苦しむことになり、誰も得をしません。
医学的に正しい知識を持って、対応するようにお願いします。

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