うつ病で休職した男性が、元の部署での復職を認めずに会社が命じた休職命令は無効であるとして、10月26日、東京地裁に地位確認・賃金仮払いを求める仮処分を申し立てた。申し立てたのは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に勤務するグレン・ウッドさん。
カナダ出身のウッドさんは、2012年9月から同社で正社員として、外資系機関投資家向けのセールス業務を担当。2015年12月末から育児休業を取得し、2016年3月に復職したが、その直後から海外出張や定例だった重要なミーティングから外されるなど「仕事が干された」(代理人の今泉義竜弁護士)状態だったという。
そうした状況を苦にしたウッドさんは不眠などの体調不良となり、うつ病と診断され、2017年1月から休職していた。7月に復職可能とする医師の診断書を得て復職を申し出たが、会社側はこれを認めず、年俸を半減させる別業務での復職を提案。ウッドさんが休職前の業務での復帰を求め続けたところ、会社側は10月18日付けで休職命令を発した。
●シングルファーザーとして
ウッドさんは、正当な理由もなく業務を減らされたことなどは「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」にあたると主張している。代理人の今泉義竜弁護士は、「本人の意向を無視した取り扱いなど、会社側の一連の対応は厚労省の通達に反している。典型的な育児休業取得を理由とする不利益取り扱い、すなわちパタハラである」と指摘した。
この日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いたウッドさんは、長時間労働を余儀なくされる職種ではあるが、「それでも仕事は問題なくできると伝えてきた。長年やってきているし、自信もある。長時間労働でも、成功していきたいという考えが私は強い。そのことは復職する前にもはっきりと会社側に伝えた」と悔しさをにじませた。パートナーとは結婚せず、シングルファーザーとして子育てをしている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の広報にコメントの求めたところ「仮処分の申し立てを把握しておらず、現時点でのコメントは差し控えさせていただきたい」とのことだった。
今回の申し立ては比較的珍しいパターンかなと思います。
私もパワハラでうつ病を悪化させて休職しましたが、元の部署に戻るのは正直嫌だったんですよね。
確かに、うつ病マニュアルなどでは、うつ病から復職する時には元の部署で元の仕事をするのが良いと言われています。
しかし、この人の場合は、職場で嫌がらせを受けたり、長時間労働を余儀なくされるなどあるので、「本当に元の部署で出来るのかな?」と疑問に感じました。
恐らくやりがいのある仕事なのでしょうが、うつ病を一度発症すると、ある程度回復しても、元の様にはならないんですよね。
もちろん、会社の休職命令が適切かどうかは議論しなければなりませんが、それとは分けてこの問題は対策を取る必要がある気がします。
シングルファーザーである事から、金銭的にもある程度必要なのは分かるのですが、お子さんのためにももう少し体を労わっても良いのではないでしょうか?
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