やっぱりただのキノコじゃない!
マジックマッシュルームって摩訶不思議なドラッグです。違法でありながら、医療で重要な役目をするものでもありますからね。そんなマジックマッシュルームですが、医療用としての使用に関してどんどん可能性が広がっているそうです。 イギリスと南アフリカの研究チームが発表した研究は、通常の治療でうつ病に効果がなかった患者がマジックマッシュルームに含まれる成分「シロシビン」を使用するというもの。このときの脳の動きをモニター観察してみると、うつの症状が減っただけでなく、身体にも目に見える影響があったとのことです。
研究チームは、身体の影響としては血流の変化と脳の活動の変化を発見。「うつ気分の減退と相関するとされる血流の減少が見られました」とScientific Reportsで発表しています。2週間以上に渡りシロシビン2種類の薬の服用をしているうつ病を患っている15名の男性患者と4名の女性患者(中断などによって最終的には男性11人、女性1人)に対し、その後5週間の観察をしました。すると最初の1週間ですべての患者のうつの症状が減少し、半分の患者が5週間後にはうつが改善されていることがわかりました。
そして各患者が脳のスキャンを受けたところ、脳血流の減少と扁桃体などの部分で脳の活動が抑えられていたことが確認されました。感情の中でも恐れや不安などを司る部分がこの扁桃体なのです。
マジックマッシュルームのいい効果がみえた今回の研究では同時に、実験結果はまだ小規模なものであるため、自分で試すのはやめてほしいとも警告しています。しかしながら「根強いうつの症状を持った患者に対してシロシビンが効果的に作用するという可能性を見ることができた結果でした」と締めくくられています。
この研究チームは以前にも今回使用されたシロシビンやMDMAなどのドラッグでの作用でうつ病緩和を実験しています。違法でダメなものだとされてきたマッシュルームやMDMAなどのドラッグが、ある部分では効能のある薬として活躍する未来が来るかもしれないですね。
小規模とは言え、うつ病の改善が見られた研究結果なので、かなり興味を持っています。
ただ同時に、「うつ病の原因は一つではないのかな?」と考えさせられる記事ではないでしょうか?
多くの医療従事者は、うつ病はセロトニンを始めとする脳の神経伝達物質のバランスが崩れている事と言う仮説を支持しています。
しかし最近の研究では、偏桃体や背外側前頭前野(DLPFC)の活動が低下している事も指摘されています。
また、脳の炎症が起きていると言う研究結果もあります。
つまり、根本的な原因は解明されておらず、まだまだうつ病患者が苦しまなくてはいけないのが、今の医学の状況です。
恐らくですが、うつ病にも様々なタイプがあると考えられます。
そのために、あるうつ病患者には効果があった治療法も、それ以外のうつ病患者には効果が出ないという事も十分にあるのです。
最近注目を集めているTMS治療ですが、私は1クール(30回)受けましたが、残念ながら効果はありませんでした。
しかし、多くの欧米人には効果が確認されているようですし、日本人の中でも効果があった人はたくさんいるようです。
現状では、うつ病になってしまったら根気よく自分に合った治療法を探していくしかないのでしょうね。
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