早期治療が基本「育児うつ(子育てうつ)」の症状と対処法。無理をし過ぎずに周りに助けを求めよう!

心療内科での治療うつ病

育児うつという症状を近年よく聞くようになりました。初めての出産、育児、何もわからないところからのスタートで赤ちゃんと接しなければいけないお母さんは、大変なストレスと不安に向き合っています。

赤ちゃんの泣き声を聞いても何故泣いているのかわからない、相談できる相手を探して聞いてみても、長く一緒に過ごしていればいずれわかるようになるなどのアドバイスに気が遠くなるような感覚に陥る人も多いのではないでしょうか。

ここで気づける人はまだラッキーかもしれません。十人十色の子育て体験に正解はないのです。

赤ちゃんが泣きだすたびにオムツの様子を確認したり、お腹がすいているのかと時計を確認する、ムズムズする赤ちゃんをあやしたり。一連の行動を嬉々として行えているようなら体の疲れはお休みすれば多少は癒えるでしょう。

しかし、誰に相談しても満足な答えは得られず、かえってプレッシャーに感じてしまったり、ストレスを感じているようならば少し気を付けたほうがいいかもしれません。

お姑さんと同居している若いお母さんなどお姑さんがストレスの原因になるケースがあります。

たくさんの手を介して子育てをすることは親子にとってかけがいのない大切な出来事ですが、産後の女性ホルモンの分泌でママの精神は不安定になってしまい、他人からのアドバイスを受け入れられないという事も。

子育てうつに悩むママは疲れていても家事や育児をお休みする事が難しく、無理をし過ぎてしまう事がよくあります。

旦那さんやお家の人が気づいてくれても「だいじょうぶ?」と聞かれても意に反して「大丈夫よ」と答えてしまうのではないでしょうか。

しかし、このような状態を続けていると本人も気づかないうちに育児うつは深刻になっていきます。そのようになってしまってからでは、育児はおろか、普段の家事や普通に起き出して一日を始めるという事までもが難しくなってしまうのです。

しかし、最近になって、育児うつ、子育てうつという言葉が広く知られるようになり、ある程度の知識を得られるようになってきました。

少し前であれば、お母さんが大変なのは当たり前、お母さんが周りに助けを求めるのは最終手段のように思われている時期もありました。

しかし、その結果、育児うつや子育てうつに苦しみ、子供をかわいく思えなくなってしまったり、家庭内で孤立してしまい、子供がうまく社会性を持つことが出来なくなるなどの弊害が生まれていたのです。

最近では、都市部に住む若い世代の育児を自治体が支援していたり、近隣の保育園が相談に乗ってくれる窓口になっていたり、子育てがより広がりをもって考えられるようなシステムができあがっています。

夫婦だけで解決しようとせず、もっと周りに助けを求めていけるような子育てをしていけるような社会が広がればいいですね。

たくさんの子供と接していると、どうしても発達の違いに目がいくようになってしまいます。ちまたに溢れる育児本や育児サイト、平均的な子供の成長過程がまるで正しいように見えてしまうかもしれません。

しかし、マニュアル通りにいかない事のほうが多いと思って接していたほうが育児うつ予防にはいいでしょう。

赤ちゃんが発達していく過程はデコボコでまっすぐではありません。劣っているところもあれば秀でているところもある。ありのままの成長を喜んであげることが子供の健やかな成長を助けることになります。

成長過程において、避けてはと通れないいくつかの関門があります。赤ちゃんの夜泣きや、黄昏なきなどと呼ばれる、長くは続かないまでも、ママやパパを悩ませる赤ちゃんの特徴的な時期です。

夜泣きには個人差があり、まったく泣かずに朝までぐっすり眠ってしまう子や、パパやママの睡眠を許してくれないというタイプまで千差万別。最近では科学的に解明されてきていることもあるようですが、基本的に原因は特定されておらずまだ未知な物。

しかし、海外では対処法が広く知られていて、日本ではまだ知られていないという方法もあるようなので一度は試してみるのもいいかもしれません。

周囲のサポート体制も整ってきているとは言いつつも、自分の故郷ではない土地で子育てをしたり、ママの性格上、声を上げづらいという親子はたくさんいるでしょう。

多くの家庭ではどちらかが働きに行かなくてはいけないので、夜泣きは生活のリズムを保つのに難しい問題です。寝て欲しいという強い気持ちを赤ちゃんが察してプレッシャーを感じてしまい、それが夜泣きの原因になってしまうという事も考えられます。

寝て欲しいときに限って寝てくれないというのは子育てを経験した人なら一度は経験したのではないでしょうか。

大変なことは尽きませんが、育児は一人でするものではありません。ママやパパ、親せきや地域の人、何も考えずに助けを求めましょう。

自分が何に困っているのかは後から思いつきます、疲れた体では自分がなぜ疲れているのかもわからなくなってしまうのです。まずは疲れた心を癒してください。

育児うつの症状

昔は育児ノイローゼともいわれていましたが、最近では育児うつや産後鬱と言う言葉が定着してきました。

また、マタニティブルーと言う言葉で表現する事もありますが、マタニティブルーと産後鬱では症状が異なります。

マタニティブルーは病気と言うよりも、病気になる一歩手前の状態ですが、産後鬱は明らかに脳の機能が低下している病気になります。

マタニティブルーの症状としては、

  • 赤ちゃんの事がかわいく思えない
  • 育児をどうすれば良いのか分からない
  • 赤ちゃんの世話をしていても涙が出てくる

といったものがあります。

この段階で適切な処置を行えば、悪化する事がないので、当てはまる人は一人で頑張り過ぎないで親や旦那さん、助産師さん、医師に相談をするようにして下さい。

これが悪化して育児うつや産後鬱になってしまうと、

  • 不眠、過眠
  • 食欲減退、食欲過多
  • 疲労感
  • 常に不安感が心を支配している
  • 趣味など興味を持てなくなる
  • イライラする
  • 事故嫌悪感
  • 意欲減退
  • 集中力・記憶力がなくなる

と言った症状が出てきます。

これは通常のうつ病と同じ症状なので、治療法も同様に抗うつ剤や安定剤、睡眠薬を処方してもらい服薬するのが基本となります。

但し育児うつの場合問題になってくる事として、

  • 母乳育児の場合服薬が限定される
  • 育児を放棄する事が出来ない

が挙げられます。

服薬する薬が限定される

妊娠中も服薬を限定する必要がありますが、母乳育児をしていると抗うつ剤の成分が母乳を通して赤ちゃんに入ってしまうので、薬はある程度限定されます。

とは言っても最近の抗うつ剤は赤ちゃんに影響が出ないものも多くあるので、深刻になる必要はありません。

育児を放棄する事が出来ない

それよりも、育児を放棄出来ないという問題の方がお母さんには大きくのしかかってくるのではないでしょうか?

うつ病になると心身を休ませてあげる事が何よりも大切ですが、赤ちゃんのお世話をしなければいけないお母さんにとっては、育児を休むことはほぼ不可能に近い事です。

親が近くに住んでいれば助けを借りる事も出来ますが、そうでないとゆっくり睡眠を取る事も出来ません。

サラリーマンであればうつ病になると、基本的には会社を休職して数か月から半年程度ゆっくり心身を休ませる治療が基本になりますが、育児をしているとそうもいきません。

育児うつの対処法

そのため対処法としては、旦那さんが育児をある程度負担してあげる事が何よりも大切になってきます。

会社に事情を説明して、定時上がりにしてもらい、オムツやミルクをあげたり、炊事・選択・掃除などの家事を負担してあげる事で、育児うつも少しずつ改善させる事が出来ます。

一般的に通常のうつ病に比べると、産後鬱は回復が速い傾向にあるので、半年から一年間程度は旦那さんにしっかりと育児・家事を手伝ってもらいましょう。

育児うつに限らずうつ病は早期発見、早期治療が基本となります。

早く治療を開始すると、服薬も少しで済みますし、育児うつに苦しむ時間も短くて済むので、症状が出ているようであれば早めに医療機関の受診をするようにして下さい。

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