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うつ病の診断基準|2つの国際基準をご紹介

 2017/03/05 うつ病
この記事は約 5 分で読めます。 19 Views

体の病気の場合は、血液検査の数値が基準値内におさまらずに高すぎたり低すぎたり、レントゲンやCTで異常な影が見られたりします。

しかし、脳の機能障害であるうつ病はこれらの検査には異常が出ません。

数字や影に現れないので、精神科医は患者さんやご家族からじっくりと話を聞くことを重視します。

うつ病で一番警戒しないといけないのは、自殺です。うつ病を見逃したがために患者さんが自殺をして命を失う、ということだけは、食い止めなければなりません。

うつ病には診断基準が定められています。
国際基準が2つあります。1つはアメリカ精神医学会が1994年に発行した「DSMーⅣ-TR 精神疾患の分類と診断の手引き」というものです。そしてもう1つはWHOが世界各国から専門家を集めて作成し、1992年に出版された「ICD-10 国際疾患分類」というものです。

この2つの診断基準は、原因による分類ではなく、症状によって分類されている、ということが大きな特徴です。

DSM-Ⅳ-TRによるうつ病の診断基準

DSM-Ⅳ-TRの診断基準は次のようになっています。
1.ほとんど毎日、一日中ひどく憂鬱を感じる。
2.ほとんど毎日、一日中何をやってもつまらないし、喜びを感じない。
3.ひどく食欲がない、あるいは、食欲があり過ぎて困る。
4.ひどくねむれない、あるいは、眠り過ぎる。
5.イライラして仕方がない、あるいは、動きが著しく低下している。
6.大変疲れやすい、気力が減退している。
7.自分はダメな人間だ悪い人間だと、自分を責める。
8.思考力が低下して集中力が減退し、決断力が低下している。
9.死ぬことを繰り返し考えたり、自殺を口にする。

1~9のうち、5つ以上がここ最近2週間以上続いていて、そのことに苦痛を感じる場合や日常生活や仕事に支障を来している場合にうつ病と診断されます。ただし、1と2の項目に関しては、少なくともどちらか1つは必ずYESでなければなりません。

ICD-10国際疾患分類によるうつ病の診断基準

もう1つのWHOが出版したICD-10国際疾患分類の診断基準は下記のようになっています。
1.うつ気分。
2.興味や喜びの喪失。
3.疲労感の増加。
4.自信の喪失。
5.無価値感や罪責感。
6.自殺など死を繰り返し考える。
7.将来に対する不安や悲観的な考え。
8.思考力、集中力、決断力の低下。
9.体重と食欲の変化。
10.不眠や過眠など、睡眠の変化。

10個のうち何項目が当てはまるかで、軽症、中等症、重症に分類します。

軽症は、1~3より2個、3~5より2つが当てはまり、それぞれの症状は軽めの場合です。日常生活や仕事に困難は感じるものの完全にできないわけではなく、何とかやっているという状態です。
中等症は、1~3より2つ、3~9より4つ当てはまり、日常生活や仕事が困難な状態です。
重症は、1~3のすべて、3~9より4つ以上当てはまり、症状も重く日常生活や仕事は不可能な状態です。妄想や幻覚を伴うこともあります。

症状が重い場合は、一時的にスランプに陥っているだけといった状態との区別はつきやすいでしょう。しかし軽症の場合は、どれくらいが「ひどく」なのか、どこまでが正常範囲内でどこからが許容範囲を超えるのか、といった線引きが難しいです。
そこで、医師はこの2つの診断基準を参考にして頭に思い浮かべながら、患者さんや患者さんの家族からお話を聞いていきます。
診察は、患者さんが診察室のドアを開けたところから始めます。

どんな感じで診察室に入って来たか、どのような服装をしているか、お化粧はどうか、歩き方はどうか、顔の表情はどうか、話し方の口調や声の大きさ、椅子に座っている時の座り方、周りへの気配りなども見ています。

うつ病の症状

服装などが診断に結びつくのかと思いがちですが、うつ病になると今までお洒落だった人も服装に無頓着になってきます。女性の場合は、お化粧をするのも面倒になってきてノーメイクというケースもあります。
小奇麗にお洒落に着こなしていて、メイクもバッチリ決めていてアクセサリーなどをつけている場合は、それほど心配はいらないと考えられます。

顔の表情も大切です。うつ病になると生気のない顔つきになって、表情も乏しくなります。経験豊富な精神科医は顔の表情でおおよその見当がつきます。「おはようございまーす」などと大きな声で挨拶をして診察室に入ってくる患者さんは、あまりいません。軽く会釈をする程度か、ボソボソと小さな声で申し訳なさそうに「こんにちは」などという程度です。

うつ病の中には「仮面性うつ病」といって、見た目は明るく元気なのに体調不良だけを訴えることもあるので、さらに難しくなります。

中には病気が隠れていて、それがうつ状態を引き起こしているケースもあります。甲状腺機能低下症や認知症や膠原病、線維筋痛症などの病気では、うつ状態になることも少なくないので、このような病気も見逃さないようにする必要があります。
そこで、精神科や心療内科でも採血や尿検査やレントゲンなどの検査を受けて頂くことがあります。また、内科など他の診療科へ紹介状を書いて、受診をお願いすることもあります。

うつ病は検査データやレントゲンの影に現れないので、診断がつくまでに何回も通院してもらって何か月もかかるケースもあります。
自殺の可能性がある場合は、入院してもらうこともあります。

医師も患者さんの話をしっかりと聞くように努力しますので、患者さんもできる限り医師に情報を提供して頂けると助かります。些細な情報が診断に結びつくことも、少なくありません。

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ライター紹介 ライター一覧

辻田 哲

電気けいれん療法コミュニティ【Serapis】会長。自身もうつ病と6年間戦い、最終的に電気けいれん療法で人生を取り戻した。
Serapisでは副作用のリスクの少ない電気けいれん療法を実施している病院選びのポイント、障害年金2級の受給ポイント、再発をさせない働き方、あなたにも出来るアフィリエイトを紹介している。
現在は精神障害者として人事を担当する傍ら、副業のアフィリエイトで月に約50万円の収入を得ている。
コミュニティで紹介している【ゴール逆算型障害年金2級ポイント】は特に参加者からの人気が高い。