うつ病はその発症要因によって、
- 心因性うつ病
- 内因性うつ病
- 身体因性うつ病
の3つに分類する事が出来ます。
心因性うつ病は、ストレスなどが原因で発症するうつ病です。
また、身体因うつ病は、脳卒中や脳梗塞、脳に損傷を受けた時など身体の臓器に起因して発症するうつ病です。
意外に知られていない事ですが、脳梗塞で前頭葉の深い部分の白質に病変があるケースでは、うつ病が発症しやすいと言われています。
また、頭部外傷など、頭を何かにぶつけてしまったケースでも、その衝撃の程度によっては、脳が頭蓋骨の内側で激しく振動する事に起因して、うつ病を発症するケースが多くあります。
内因性うつ病とは
一方、内因性うつ病は、体質や遺伝などが要因で発症します。
遺伝に関しては、ある一定の割合で発症しやすくなることが分かっています。
しかし、多くの場合、体質や遺伝などの内因性に加えて、ストレスがかかった時に発症するので、心因性と内因性うつ病を区別する事は困難と言われています。
遺伝が関与しているとは言っても、両親がうつ病だからと言って、子供が必ずうつ病にかかると言うものではありません。
あくまで「ある程度」かかりやすくなると言った感じです。
遺伝的要因でうつ病になる確率
厚労省の発表によると一般の人が生涯でうつ病になる確率は、6.5~7.5%程度だと言われています。
約13人に1人の割合です。
これに対して、片親がうつ病の場合に子供にうつ病を発症する確率は10~15%ほどと言われています。
7人から10人に1人くらいの確立になるので、遺伝的要素があるのは間違いないですが、それでもうつ病を発症しない人の方が圧倒的に多いのです。
女性は体質の変化で内因性うつ病になる事も
女性は妊娠、出産を経験する事で、体質が変化します。
女性ホルモンのバランスを崩してしまう事も多く、この時を境に「マタニティーブルー」「産後うつ」を発症する事もあります。
また、更年期になると、閉経に伴い女性ホルモンが減少します。
「更年期うつ」と呼ばれているように、体質が変わる事で内因性うつ
病を発症しやすくなります。
内因性うつ病の特徴
一般的に内因性うつ病で現れてくる特徴的な症状は、一般のうつ病と変わりません。
- 抑うつ気分(朝悪く、夕方から夜軽快することが多い)
- 興味、喜びの損失
- 体重減少、食欲減退(時に増加)
- 睡眠障害(不眠や早朝覚醒など)または睡眠過多
- 意欲の低下
- 焦燥感
- 疲労感、気力の減退
- 無価値観、罪責感
- 思考力、集中力、記憶力の減退
- 希死念慮、自殺企図
と言ったことが診断の基準になります。
基本的には体質の変化などでうつ病を発症したのではないケースでは、心因性うつ病や身体因性うつ病ではない時に、内因性うつ病と診断されます。
また、内因性うつ病の特徴として、温度や気圧など気候の変化に敏感に反応すると言う特徴があります。
特に多いのが、「冬季うつ」に代表されるように、冬の日照時間が短い時に体調を崩すと言うものです。
季節の変わり目や、低気圧が近づいてきた時、気温が低い時などは、内因性うつ病では症状が大きく出やすいと言われています。
内因性うつ病の治療
内因性うつ病では、特別な治療をしなくても寛解するケースが多いと言われています。
抗うつ剤などを服用しながら、休養を取る事で、比較的早期(2年以内)の寛解が可能です。
注意点としては、希死念慮が強く出るために、自殺をしないように気を付ける必要があります。
特に抗うつ剤を切り替える時には、希死念慮が出やすいので、注意して下さい。
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