意外に知らない、うつ病で障害者手帳を取得するメリット・デメリット

障害者うつ病

うつ病で障害者になるという事は、非常に辛い決断でもあります。
五体満足で生まれてきたにも関わらず、過度なストレスをかけ続ける事でうつ病を発症してしまい、更に抗うつ剤の反応性が低いために、健常者として生きる事を諦めなければいけないのです。
うつ病本人にとっても、ご家族の方にとっても、「精神障害者」と言う言葉は重くのしかかる事になります。
中には重度のうつ病を何年も患っているにも関わらず、「精神障害者手帳」を受け取る事を拒む人もいます。
それぞれの考え方によるものなので、一般的にどちらが良いとは言えません。
しかし、障害者手帳を取得する事で、前向きに生きる事が出来るのであれば、メリットは大きいと言えるでしょう。

具体的に、障害者手帳を取得するメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

障害者手帳を取得するメリット

まず障害者手帳を取得すると、各種税金、NHK放送受信料の免除やバスや電車などの運賃の割引をしてもらうことが可能です。
国民年金なども障害者手帳を持っていると、控除の対象になったりします。
少なくても金銭的には、障害者手帳を取得しておいた方がメリットは大きいと言えます。
その他には、携帯電話料金の割引や美術館や博物館、動物園などの公共施設の入場料の割引なども可能なほかに、ハローワークなどで身障者枠の仕事を優先的に紹介してもらうなどのメリットもあるとされています。

また、就労支援センターなどでは、障害者手帳がないと入れない所も多くあります。

障害者手帳を取得するデメリット

今度は、逆に障害者手帳を取得する上でのデメリットとはどんなことなのか考えてみましょう。

メリットが存在すれば当然デメリットも存在するのが一般的ですが、障碍者手帳の取得に関しては大きなデメリットは特にないとされているようです。

確かに、ハローワークで障害者枠で仕事を紹介してもらった場合に限り、他人から偏見の目で見られたりうつ病であることを知られてしまうデメリットはあるとされていますが、日常生活においてのデメリットは特にないとされています。

もちろん、公共施設を利用する際や電車やバスなどで運賃が割引になるなど、メリットに準ずるデメリットはあるとされていますが、自分から手帳を見せない限りは周りに知られることはまずないとされています。

税金の控除に関しても、会社で年末調整の後に自分で確定申告を行えば周りに障害者手帳を取得しているから税金が控除されるということはバレないと言えます。

一番のデメリットは障害者と自覚する事

「障害者」特に「精神障害者」と自覚する事に抵抗を覚える事は非常に勇気がいります。

特に、うつ病は世間一般的にもまだまだ偏見の多い病気ですし、精神障害者の理解もされにくいのが現状です。

これは個人の考え方によるデメリットでもありますが、障害者手帳を取得したことで自分がうつ病による障害者なんだと自覚するのが嫌という意見もあるようですが、一方で数多くのメリットが受けられるのなら仕方ないと考える人もいるようです。

このことから考えると、デメリットに比べてメリットの方が比較的多いために6か月以上うつ病によって心療内科などに通院している場合には障害者手帳の申請を行うのも一つの手段と言えるでしょう。

うつ病によって仕事ができなくて一番困っているのは本人や家族ですので、少しでも日常生活を送る上での負担を軽減するためにも申請を考えてみるのも良いのではないでしょうか。

精神障害者手帳とは

精神障害者手帳は正式には「精神障害者保健福祉手帳」と言います。
一定程度の精神障害の状態にあることを認定するもので、精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、障害者手帳を持っている方々には、様々な支援策が講じられています。
最近特に動きが活発な事として、精神障害者の雇用問題があります。
企業はある一定の割合で障害者を雇用する義務があり、満たしていないと罰則が設けられています。
これまで、障害者の対象となっていたのは、「身体障害者」と「発達障害者」だけでしたが、2018年からは「精神障害者」も加わる事になります。
企業としても、精神障害者を雇用しなければいけない立場になってくるので、障害者手帳を持っている事により、うつ病などの精神疾患を患っている人でも社会に貢献しやすくなってきています。

障害者手帳と障害年金の等級は必ずしも一致しない

障害者手帳と混同してしまいがちな事として、障害年金があります。
どちらも等級が1級、2級、3級とあるので、障害者手帳の等級がそのまま障害年金の等級に反映されると思っている人も多いですが、実際は異なります。
障害者手帳で2級になっていても、障害年金では3級や不支給の人はたくさんいます。
これは、そもそも管理している役所が異なるので、仕方のない事です。
但し、障害年金の等級が2級であれば、障害者手帳の等級は2級になります。
「障害者手帳の等級⇒障害年金の等級」は成り立ちませんが、
「障害年金の等級⇒障害者手帳の等級」は成り立ちます。

コメント

  1. […] 当時障害者手帳2級を持っていたので、勤務時間を増やす事は慎重に行わなければいけなかったのですが、上司が「うつ病=気の弱い人間」と言う思い込みを持っていたために、強引に勤務時間を増やされて、結局入社後3か月でうつ病を悪化させてしまいました。 […]

  2. […] もしこういった場合は一般的な保険である健康保険や、傷病手当金、国からの支援、精神障害者手帳の発行などを考えましょう。うつ病になる場合は特に完治まで時間がかかる傾向がありますから、焦らずゆっくり治療を行いたいところです。ゆっくり治療をして心を休めることも大事なことになるので、保険の手続きなどはケースワーカーや医師、ファイナンシャルプランナーに相談するのが一番確実です。 […]