「寝ても寝ても、眠い」うつの眠気はどうすればいい?市販の薬を服用してもうつ病は改善しません!

眠気が強くて横になっているうつ病

うつ病と言うと不眠症を思い浮かべる人が多いと思いますが、10人に1人は逆に寝ても寝ても眠いという状態に悩まされています。

通常、人間の脳内では緊張した時に活発になる交感神経、逆に体が安らいだ時に活発になる副交感神経、この二つの神経が機能しています。

夜間であれば副交感神経が活発になり脳内に十分な休息を取らせようとします。これが睡眠というわけです。

通常、健康的な人間であればこの自律神経のバランスがうまい具合にキープされているのですが、不眠症はこうした交感神経と副交感神経のバランスが乱れることによって引き起こされ、これが重度になれば日中にも絶え間ない眠気を生じるようになります。

夜間にどれだけ質の良い睡眠をとっていようが関係ないというわけです。これはいわゆる過眠症というもので、夜に十分な睡眠をとっているのにも関わらず、日中に強い眠気を伴う症状です。

重度のケースになると仕事中や学校の授業中なのにもかかわらず眠気が襲ってくることもあります。車や機械の運転を行っている場合には、とりわけ注意が必要になってくる症状です。

うつの眠気対策は急性期と回復期で異なる

うつ病を発症してから回復するまでには、

  • 急性期
  • 回復期
  • 再発予防期

とステップを踏みますが、眠気が強く襲ってくるのは急性期と回復期のケースが多いと言われています。

急性期ではとにかく心身をしっかりと休養させる事が大切なので、昼夜を問わず眠気に襲われても思いっきり眠った方が早くうつ病を改善する事が出来ます。

しかし回復期に差し掛かると社会生活を送るために少しずつ生活リズムを整えていく必要があります。

そのため夜に質の高い睡眠を取るためにも昼間の眠気は出来るだけ我慢をした方が良いでしょう。

昼寝は30分以内にして、昼間は少しで良いので体を動かして日の光を浴びるようにして、夜の睡眠をしっかりと取れるようにしましょう。

うつの眠気は薬物治療が中心

うつは脳内のホルモンバランスが崩れてしまっている状態なので、眠気をコントルールするのは簡単ではありません。

自分だけで対処するには限界が出てくるので、治療でも用いられることになるのが薬物療法によるアプローチです。

日中に、眠くて眠くて仕方がないという場合には、その眠気を飛ばすための薬を服用していきます。逆に夜間に眠くならないという事態にならないように、いくつかの薬を組み合わせて服用していくのが治療のポイントとなっていきます。

薬を用いるだけでも、脳内の神経バランスを正常な状態にキープすることが出来ますし、自分の意志に関係なく引き起こされた眠気を一掃することが可能です。

眠気冷ましの薬はドラッグストアでも取り扱っていますが、市販されている眠気覚ましの薬はうつの症状を考慮して製薬されているわけではないので、必ず医師の処方してくれる薬を服用するようにして下さい。

また、治療の一環として生活習慣を改善するという方法もうつには有効です。例えば、朝起きたらすぐに日光を浴びるようにする、この太陽の光を体に浴びる行為によって脳内にはトリプトファンと言う脳内ホルモンが分泌して、心身をリセットさせて気持ちのいい一日を迎えることが出来ます。

たった1日、こうした日光浴をしたからといってすぐに効果があらわれるわけではありませんが、毎日継続して続けていけば、乱れがちだった自律神経のバランスも改善されていきます。

太陽の光は人間にとって欠かせない要素の一つであり、それ単体でも十分な健康効果を期待することが出来ます。投薬治療と並行してこうした工夫を行っていけば、自然とうつに伴う眠気の症状も収まっていくというわけです。

うつで強い眠気を感じたら早めの受診を

基本的に、うつは不眠症と過眠症、どちらか一方を引き起こすケースが多くなります。もちろん、人それぞれで症状のあらわれ方には違いが出てきますが、睡眠の質が落ちれば落ちるほど、体の負担は大きくなり日常生活にも支障をきたすようになります。

素人が変に我慢をすることで症状がさらに悪化、悪循環を招く危険性もあるためとりわけ注意が必要です。寝ても寝ても日中に眠気を感じるという場合にはできるだけ早くうつの専門医の診察を受けるようにしましょう。

基本的にうつの眠気対策に用いられる薬は、医師の処方がないと購入することが出来ません。市販では売り出されていないタイプの内服薬なので、対策を打っていくためにはまず、医師の診断が必要になってくるということです。

医療機関に受診すること自体に抵抗を感じてしまう人も決して少なくはありませんが、薬を服用するだけで眠気の症状が治まるのであれば、決して悪い話ではありません。

たとえ診察や処方の手間がかかったとしても、日常生活に支障をきたすくらいなら早め早めに行動に移すことを心掛けていきましょう。

うつの眠気に対応するには精神力だけでは不可能な点が出てきます。軽度のうちは気合で何とかなることもあるでしょうが、さすがに症状が進行していけば薬の力を借りないと日常生活で厄介な事故、トラブルを引き起こしかねません。

症状がすでにあらわれているという人はまだ症状がひどくなかったとしても、早めに治療を始めることでその期間を短縮できることもあります。重度になればなるほど、治療期間も長くなる傾向にあるので、気になる症状があるという人は今一度、こうした点もしっかり押さえておくようにしましょう。

私も眠気と不眠症の両方を経験しました

私自身うつ病を発症した当初は強い眠気に襲われて、毎日十数時間寝ていてもまだ眠れるような状態でした。

私の場合仕事で車の運転をする必要があったので、眠気自体は非常にやっかいな症状でした。

しかし心身が悲鳴を上げているサインと考えて、会社は休職をして心身を休ませるようにしていました。

うつ病は脳の機能が低下している状態なのですが、睡眠は唯一脳を休息して疲弊した脳の機能を回復させる事が出来るのです。

そう言う意味においては、強い眠気は自己修復機能の一つとも言えます。

うつ病に理解がない人は「眠ってばかりで、怠けている」「いつも寝ていて羨ましい」と言った言葉を投げかけるかもしれません。

しかし、少しでも早くうつ病から回復するためには睡眠を取る事は非常に重要なので、質の高い睡眠を取るように心がけましょう。

コメント

  1. […] 食欲が増加し、太りやすい傾向にもありますが、その点眠れないという事もなく逆に過眠傾向に陥ります。 […]