頑張れだけじゃない、うつ病【禁句】!話し方ひとつで悪化も改善もするうつ病

禁句うつ病

うつ病と一言に言っても、症状は人それです。
なので、禁句になる言葉もそれぞれではあるのですが・・・

とは言っても、やはりうつ病の人全般に当てはまる禁句と言うのは存在します。
うつ病の人は、毎日途方もない苦しみと戦っています。
しかも、周りの人からは全く理解されない立場で。

どれだけ辛く苦しい事でも、周りから理解されていれば救いはあるのですが、殆どの人はうつ病がどんな病気かも知ろうとしません。
普通、自分の身内や恋人、会社の同僚が病気で苦しんでいたら、何とか助けてあげたいと思いますよね?
仮に知り合いが癌になったとしたら、メチャクチャ心配しませんか?

うつ病は自殺して死ぬ可能性も非常に高い怖い病気です。
しかし、多くの人は「怠け病」と言う言葉で片づけてしまうのが現状です。

そもそもうつ病とはどんな病気?

うつ病は通常ストレスが限界を超えた時に、脳が機能障害を起こす病気です。
人間だれしも限界と言うのは存在します。
普通は限界を超える程ストレスがかかると逃げるものですが、うつ病は真面目な人間が多いので、それを何とか克服しようと考えて、結果的にうつ病を発症します。
勘違いして欲しくないのは、原因がストレスだったとしても、ストレスから離れたらすぐに治るのかと言うと、そんなに簡単な病気ではありません。
繰り返しますが、「うつ病は脳の病気」です。

例えば、お酒を飲み過ぎて肝機能障害になったとします。
でも、禁酒をしたからと言って、肝臓の機能はすぐに回復する事はないですよね。
それと同じで一度低下した脳の機能は簡単には戻りません。
早くても半年、長かったら一生うつ病と戦わなくてはいけません。

うつ病は常に苦しみと戦っている

うつ病を患っている間は24時間、365日常に尋常じゃない不安感・焦燥感などの精神的症状や、体が重くて動かない・頭痛・肩のコリなど身体的症状に苦しみます。
うつ病は精神病や心の病気と言われているので、勘違いする人が多いですが、メンタルを強く持って治るものではないですし、ストレスをかけると余計に悪化をするだけです。
そして、禁句と言われている言葉を親しい人に言われるたびにストレスになり、更にうつ病が悪化すると言う悪循環に陥っています。
時には心無い言葉をきっかけにリスカや自殺未遂をする事もあります。

禁句がたくさんあるのは何故?

うつ病に人に言ってはダメな禁句はたくさんあります。
一つ一つ見ていくと、「こんなにあるんだったら、何も言えないじゃん!」となるかもしれません。
しかし、それには理由があります。
大切なのはどのような気持ちでうつ病の人と接するかです。

大切なのは話す人の気持ち

うつ病になると、精神的に敏感になります。
人がどのような気持ちを持って、発言しているのかが良く分かります。
禁句を全て言わないようにするのではなく、うつ病の苦しみを理解した上での発言であれば、自然と禁句と呼ばれている言葉は出なくなります。
本当にうつ病を理解しようとしているのか、偏見のまなざしで見ていないか、うつ病の人が訴えている言葉に耳を傾けているか、そう言った基本的な事を忘れないでください。

共感をする

うつ病の人と話す時は共感を示すと良いでしょう。
例えば「頑張れ!」ではなく、「頑張っているんだね」と言った言い方です。

勉強をしましょう

うつ病の人の大変さを理解するには、医学的に正しい知識を付ける事が大切です。
あなたの勝手な思い込みや、メンタルの持ち方、「こうあるべきだ!」と言った事ではなく、医学的にうつ病はどのような病気なのかを理解して、一緒に治していって下さい。
分からない事があれば、心療内科に同行して主治医の意見に耳を傾ける事も大切です。

うつ病の人が嫌がる言葉をまとめてみましたので、あなたの大切な人に対してどのような言葉をかければ良いかの参考にして下さい。

うつ病に対する禁句一覧

うつ病の禁句を大きく分けると、

  • うつ病を認めない
  • 軽く考えている
  • 安易に励ます
  • 原因を追究する
  • 一般論を持ち出す
  • 責める
  • ポジティブな言葉
  • 意味不明
  • 「また」を連呼する
  • 分かっているかのように言う
  • 非医学的な事を押し付ける

と言ったカテゴリーに分けられます。

うつ病を認めない禁句

「昔はうつ病なんてなかったんだよ。」
→いいえ、昔からうつ病はありましたよ。古代ヨーロッパの時代には存在して『メランコリー』と呼ばれていました。

「オレはうつ病なんて認めない!」
→あなたがうつ病を認めなくても存在します。

「うつ病なんて、ただの甘えじゃん!」
→いいえ、脳の病気です。

「そんなの嘘だよ!」
→一度病院に同行して先生と話してください。

そもそもうつ病と言う病気を全く信じていない人は、話しかけないでもらいたいと言うのが本音です。
しかし、現実的には全く信じない人が社会にはたくさんいるので、うつ病の社会進出を阻んでいます。
うつ病を認めない人は、間違いなくストレッサーになるので、距離を置くのが一番良いのですが、家族となると、簡単に離れる事も出来ません。
せめて、理解をする努力をして下さい。

うつ病を軽く考えている

「うつ病なんてすぐに治るよ」
→じゃあ、治してください。専門医でも難しい事ですし、うつ病の薬は症状を一時的に取り除く対症療法でしかありません。

「気分転換すれば大丈夫だよ」
→一般的に気分転換と呼ばれているものをしても、楽しめなく苦痛に感じるだけです。

「真面目すぎるんだよ」
→真面目はいけませんか?

「気楽で良いよね」
→あなたの方が余程気楽だと思いますよ。

「調子悪いと寝てればいいから良いよね」
→寝ていても常に苦しんでいます。何が良いのか分かりません。

「周りから同情されて得だよね」
→同情されるよりも、理解して欲しいです。

「気の持ちようだよ。」
→そんな簡単な事で治る病気ではないです。

「たいした事じゃない。」
→あなたにとっては、大したことないんでしょうね。

「誰でも落ち込む時はあるよ。」
→別に落ち込んでなんかいません。苦しいだけです。

「甘えてる」
→病気でもないあなたがグチグチ言っている方が余程甘えています。

「大袈裟すぎ」
→どれ程大変か分からないのに、何故そんなことが言えるのですか?

うつ病は大変な苦痛を伴う病気です。軽く考えられていると正直イラっとするので、止めて下さい。

安易に励ます

「頑張って」
→言われなくても、メチャクチャ頑張っています!

「プラス思考で考えろ!」
→プラス思考になれない病気なんです。セロトニンと言う脳内神経伝達物質が減少しているので、前向きになれないのです。

原因を追究する

「何が原因なの?」
→あなたの態度や気温、気圧、ちょっとしたストレスや体調の波etc.何が原因かは本人にも良く分からない事が多いので、そう言う質問には返答に困ります。

一般論を持ち出す

「寝てばっかりじゃダメだよ。」
→そんな事言われなくても分かっていますが、身体が動かないんです。

「運動でもして気分を変えない?」
→運動出来るくらいなら、寝込んでいません。

「○○さんも苦労しているんだよ、あなたも見習って!」
→○○さんがこんなに苦しんでいるとは到底思えません。

一般の人がこれまで経験したことがない程の苦痛の中にいます。安易に一般論を持ち出すのは止めて下さい。

責める

「こんなこともできないの?」
→ごめんなさい。何と言われても出来ないんです。

ため息をつく
→あなたのそのため息がストレスになります。

「悪いのはあなたじゃないの?」
→私は頑張っただけです。何が悪いのですか?

「ちゃんとしてよ」
→ごめんなさい、出来ないんです。

「いつまで寝転がってるんだ。」
→私も早く良くなりたいんです。

「悲劇のヒロイン気取り」
→こんな惨めなヒロインに私はなりたくないです。

「死ぬなら部屋で首つれ!」
→はい、分かりました。今から死にます。

「身体は健康なのに、なんで働かないの?」
→身体が健康ではないんです。

「甘えるな!」
→甘えてなんかいません!

「ゴロゴロするな!」
→起き上がる事も出来ないんです。

「いつまでも落ち込んでいないで!」
→別に落ち込んでなんかいません。

「少しは動いて!」
→動けるなら、とっくに動いています。

「それくらいで仕事休むな!」
→これだけしんどくても休んだらダメですか?

ポジティブな言葉

「頑張れ!」
→これ以上頑張れません。

「気を強く持って」
→何度もそうしましたが、無理です。

「根性!」
→根性を出して、こんな病気になったんです。

意味不明

「祈って!」
→神様は助けてくれませんでした。

「また」を連呼する

「また、調子悪いの?」
「また、寝てたの?」
→そうです。ずっと寝たきりです。

分かっているかのように言う

「みんな大変なんだよ。」
→みんながうつ病みたいに大変なら、よく生きていられますね。

「私も軽いうつならなった事あるよ」
→軽いうつと、重度のうつ病は全く違います。分かった風な口をきかないでください。

非医学的な事を押し付ける

「気合が足りない!気合があればそんなの治る!」
「薬なんか飲んでいるから良くならないんだよ」
「オレの言うとおりにしたら、良くなるんだよ!」
→非医学的な発言は止めて下さい。

うつ病の代表的な禁句


うつ病の人への禁句の代表的なものといえば、「頑張って」という言葉が挙げられるでしょう。
「誰でもそれくらいの事あるのだから」などという励ます言葉は禁句の一つなのです。
また、「気の持ちよう」という言葉も禁句です。本人は辛くて仕方がなく、どうにかトンネルを抜けようともがき苦しんでいるところに、単なる「気の持ちよう」と言われてしまったのではなす術もなくなってしまいます。

また、本人は食欲がほとんどないわけなので、「せっかく作ったのにこんなに残したの?」などという言葉も禁句です。
周囲にいる人は、元気になってもらいたくて頑張って料理をするわけですが、本人は食べたくても食べられない、どうにも食べ物が入って行かない、という辛い気持ちでいるのです。
周囲の人の、つい感情的ともいえる言葉は、うつ病の人のデリケートな心を敏感に反応させてしまうでしょう。

うつ病患者は周囲の人の感情に敏感

何故なら、うつ病の人が一番気に病んでいるのは、周囲の人が自分のことをどのように思っているのか、ということだからです。
言葉のはしはしにわずかに滲み出てくる自分への感情を、敏感なまでに感じ取ってしまっているのです。
うつ病の人は、憂鬱になっている自分を責めています。
食欲がなくてせっかく作ってくれた料理にも手を付けられない自分を責めているのです。

既に限界まで頑張っている

「頑張って」という励ましの言葉は、既にエネルギー全開で頑張っている人にいう言葉としては適切ではありません。
頑張りたいと思い、何とか力を出そうと懸命に努力しているけれども、どうあがいても頑張ることができないでいるのが、うつ病という症状です。

感情のコントロールが出来ない

また、自分の気持ちをコントロール出来ないというのがうつ病の特徴でもあります。単なる「気の持ちよう」などと言われてしまえば、そんなことすらできない自分を責めるしかなくなります。
すると、気持ちをコントロール出来ないため、言われた相手のことを、自分のことをまったく理解してくれない人、などと解釈してしまい、信頼関係が崩れてしまうこともあるでしょう。

禁句を避けて寄り添う気持ちで

うつ病の人と接するには、これらの禁句を避け、気持ちに寄り添うようにすると状況がよくなることがあります。
何かをさせようとするのではなく、本人の頑張りたくても頑張れない気持ちに静かに寄り添い、本人から助けを求めてきた時だけ手を差し伸べるとよいのではないでしょうか。
特に何も言わず、1人にしてあげると良いでしょう。
そして、助けを求められたら、最後までじっくり話を聞いてあげることです。
自分の意見を言うことは避け、時おり相槌を打ちながら、丁寧に対応してあげることが大切です。

背中をさすってあげて下さい

どう返事をすれば良いかわからなければ、背中をさすってあげると良いでしょう。
精神的なストレスを感じていると、筋肉もカチカチに硬くなってしまうものです。
人の温かな手を当て、やさしくさすってあげることで、筋肉のこわばりが取れて呼吸が楽にできるようになることもよくあることです。

コメント

  1. […] うつ病の人に対して「もっと頑張って!」と励ますのは、禁句とされています。 重症度にもよりますが、精神的にも身体的にも非常に辛い症状を必死になって我慢しているのです。 そのうえ、更に頑張れと言うのはあまりにも無責任と言えます。 日本では頑張る事が美徳とされていますが、うつ病の人は頑張りすぎたためにストレスが限界を超えてしまい、脳がパンクした状態です。 更に頑張ってストレスを増やすと、うつ病は悪化してしまいます。 本気でうつ病を治してほしいと願うのであれば、「頑張るな」と言うのが正しい対応になります。 頑張らない状態を続けて、脳を休息させてあげる事で、うつ病は少しずつ改善していきます。 […]

  2. […] そばにいる人は注意深く見守り、患者が話すことに静かに耳を傾けてあげましょう。 思わず「頑張れ」「ちゃんとしなさい!」「みんな苦しいんだよ」と言った言葉を言いたくなりますが、これらはうつ病にとって禁句なので、ぐっと我慢しましょう。 いつまで経っても回復しないと、見ている方も辛くなりますが、うつ病はそんなに簡単に治る病気ではありません。 ゆっくりと腰を据えてサポートしてあげましょう。 […]

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