名前:垣副(カキゾエ)
年齢:34歳
性別:男性
病名:うつ病(疼痛性障害)
うつ病歴:2年4か月
家族構成:両親、兄、私の計4人家族
仕事は充実していたが、身体に異変が・・・
私は、24歳の頃から仕事が忙しくなり、転勤族となりました。3か月に一度程度に他県への異動、仕事だらけの毎日でした。
しかし、仕事が嫌いとかでなく、好きな仕事だったので、毎日がすごく充実していました。夜も寝ずに18時間程度仕事を行っていましたが、それほど疲れを感じることなく無我夢中で仕事を行いました。
そんな中で、仕事は結果が全て。
仕事で結果が出せずに悩む毎日が始まりました。
当然、簡単に実績を上げれるような仕事なんてありませんし、時間があれば勉強し、結果と実績だけを求めてただひたすら、仕事と勉強を行いました。
もちろん、社内からはトップレベルと言われることもありプライドとの戦いになっていたことは今でも思いだします。
そんな仕事だらけの毎日を楽しんでいるときに、今までは感じたことがない痛みを感じるようになりました。
その痛みは、内臓に出たり骨や関節にでたりと様々で痛み自体が流動しているのです。
特にお腹など内臓が痛くなると動けないほどで、仕事を休む日が続きました。
ある病院に行き、体全身の精密検査を受けても結果は異状なし。
しかし、痛みは治まることなく、病院を変え検査を行っても異常なし。更に病院を変えて検査を行っても異常なし。
仕事ができない苦しみと痛みはどんどん増していくばかりで、この先の人生を考えてしまう程でした。
一人暮らし、家で療養しても不安になるばかりで、精神的にも前を向いて歩くことができなくなり、実家に帰ることにしました。
実家に帰り家族を見ると少なからず、精神的には安定しましたが、痛みがなくなることはなく、1週間ほど経った頃、親父が探してくれた医大で再度体全身の精密検査を受けることになりました。
最終的な医大で原因が見つからなければ、この先一体どうすれば良いのか不安になりながら、検査を受けるとやはり医大でも反応が出ず、医師とお話ししながら、精神科に行くことを進められました。
精神科といえば私の中でそんなに良いイメージはなく、行くことに少し恥ずかしさもあり行ってもどうにもならないだろう、私の精神は安定しているしという思いが強い中、紹介された精神科に足を運ぶ事を決意しました。
精神科でまさかのうつ病と診断!
精神科の医師にこれまでの経緯をお話し、カウンセリングを受けました。
これまでの仕事の疲れ、特に体ではなく、見えない場所の疲れが原因の可能性があり、この痛みは、精神的なうつ病から、神経に異常が出ている恐れがあるという診断を受けました。
私の中で疲れなんて感じたことがなかったのですが、会社からの期待感と成果と実績を上げなければならないという恐怖感とプライド、社員からみられる人物像など様々な点を考えるとそう判断されてもおかしくないと私自身感じました。
そこで、精神安定剤を頂き、様子を見ていきましょうという話で、薬療法を行う事になりました。
うつ病なんて信じられない気持ちからか、恐怖感を感じるようになり、夜は怖い夢ばかりで、逆に夜は寝れずにどんどん疲れがたまるばかりで痛みも和らぐことなく、何度も精神科に通うことになります。
自殺願望が出てきて、電気けいれん療法を勧められた
薬の量を増やしたり、医師の判断に任せて色々と試行錯誤を行いましたが、反応はなく自殺まで考えるようになりました。
そんな私自身の思いを医師に伝えると、電気けいれん療法(ECT)を進められました。
初めてこの治療法聞いたときは、不安と恐怖と本当に大丈夫なのかという気持ちばかりでしたが、この治療にかける決意を行いました。
何をしてもダメならば、この電気けいれん療法を試すしかない。そんな思いでこの電気けいれん療法を受けることになりました。
電気けいれん療法を受けることになり入院することになりました。
予定では、2か月間で8回の電気けいれん療法を行うという事で、正直2カ月間の入院は長く感じましたが、今後の人生を考えると2カ月なんてあっという間と考えました。
電気けいれん療法の治療スケジュール
精神科への入院という事で戸惑いもありましたが、一人部屋で机があり、トイレもお風呂も部屋についていてすごく清潔で綺麗なお部屋でしたので、パソコンと著書を持ち込みリフレッシュしながらゆっくりと自分のペースで生活を送ることができました。
一週間の間隔を置き、電気けいれん療法がスタートしました。
療法の前日は、21時以降は絶食で、疲れなどたまらない様に、持ち込んだ荷物は回収され、部屋には何もない状態で外から鍵もかけられ、外にも出れない状況となります。
正直、逆に緊張感で寝れなくなったのは事実です。
しかし、時間と共に睡眠し、朝起きると、療法が行われる部屋まで、看護婦と一緒に歩いていきます。
部屋に入ると、心地よい音楽が流れており、4名程度の清潔なナースと医師がいます。
ベッドに横になると点滴をさされ、そこから全身麻酔の注射を行います。
始めは本当に緊張しましたが、この部屋のリフレッシュでき清潔な空間は安心感を与えてくれます。
全身麻酔が体内に入る頃までは覚えているのですが、そこからは全く覚えもなく、気がつけば病室で目が覚めます。
副作用は頭痛がありました
療法の後は、約半日間、激しい頭痛に襲われます。
頭痛薬を頂き飲みますが正直簡単に痛みはなくならず、時間と共に痛みが減少していきます。
一日経つと普段の自分に戻るわけですが、一回目の療法で少し体が楽になりました。二回目、三回目と回数を繰り返すことによって、精神的にも体全身の痛みも楽になり、すべての8回を終えたころには、働いていた頃の自分の体に生まれ変わっていました。
最新の電気けいれん療法では記憶は大丈夫でした
この電気けいれん療法で怖いのは記憶がなくなる恐れがあるという事。
病院内で知り合った患者様で半年間の記憶がなくなったと言われる方もいましたが、私がなくなったのは、半日前のことなどで、時間と共にすぐに思いだす事もでき、それほど心配することはないのではと思います。現に8回受けましたが、すべての記憶は残っているのが現状です。
最新の電気けいれん療法は素晴らしいと思います
電気けいれん療法の話を聞いたときは、そんな治療あるのか、話を聞けば恐ろしいイメージしかありませんでしたが、どんどん楽になる体と安定した精神状態になることで本当にすばらしい治療法だと思います。
人によっての差はあると思いますが、私にとっては充分に合う治療法でした。
退院して、すぐに仕事を始めました。以前と同じように動ける体にビックリすると同時に、感謝しかありません。
当然、この1クール8回の治療で完全に治ることは難しいと思います。
再発しましたが、軽度でした
電気けいれん療法を受けてから8カ月ほどで痛みが再発致しました。すぐに病院に行き、医師と相談して薬療法をとるのかまた電気けいれん療法を行うのか考えている所ではありますが、この療法がなくならない限り、もう少し悪くなったら受けようと少し安心でき、精神的にも落ち着かせることができます。
もちろん、継続的に行っていくことですべてを取り除けるものだと考えていますが、2か月間の入院という時間に悩まされる訳です。
時間が大いにあるのならば継続的に行う事をお勧め致します。
これから、電気けいれん療法を受ける方々、また迷っている方々がいると思いますが、本当に安心して受けることができる療法です。
その時の痛みや精神的な苦痛などからなかなか前向きなれずにいる方々もいると思いますが、本当の自分を取り戻し、明るい人生にしていく為に是非行ってほしいと思います。
必ずといって良いほど、受けてマイナスになることはありません。
うつ病として戦った苦しい時間をこの療法が治してくれたと私は思いますし、同じように苦しんでいる患者様へ一歩踏み出してみてくださいと伝えたいです。
障害年金は3級を受給しています
うつ病になって仕事が思うように出来ない事もあり、医師に相談したところ「障害年金の申請をしたらどうか?」と言われました。
正直、「障害」と言う言葉の響きに抵抗はありましたが、生活をしていく上で必要なお金を稼ぐことが難しい現在では仕方のない事と諦めて、申請してみました。
結果は3ヶ月ほどしてから出たのですが、障害年金3級でした。
月に6万円程度ですが、支給してくれるので生活はかなり楽になっています。
申請するのはかなり疲れる作業ですが、私の場合精神的な抑うつ症状はないので、一般的なうつ病の人に比べると楽に申請が出来たのではないかと思います。
生活費に困っているのであれば、障害年金を受給するのも良い方法だと思います。
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