新型うつ病だけじゃない、うつ病なのに外出できる人の5つの特徴

外出うつ病

うつ病は過度のストレスが引き起こされる原因の一つだと考えられており、特に多いのが人間関係からくるストレスや環境の変化からくるストレスなどが挙げられます。
うつ病になると、神経の細胞から細胞へ情報を伝える神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどのモノアミンの量が減ってしまい、情報がうまく伝わらなくなることで、様々な症状が現れてしまうことがわかっています。
その一つに「外出出来ない」と言う症状があります。

うつ病の精神的症状

うつ病の症状としては抑うつ気分と意欲の低下が代表的です。
抑うつ気分とは、気分が落ち込んだり、悲しい気持ちになる、憂鬱で何の希望もないなどがあります。
思考力も低下してしまい集中力が低下して仕事の能率が落ちる、些細な決断が出来悪なったり、注意力が散漫になってしまい人の言うことがすぐに理解できないことも出てきます。
意欲が低下してしまうと趣味などをやる気にならなくなってしまったり、家族や友人と話すのが面倒、外出するのが億劫、つまらなく感じる、テレビなどを見ても面白くない、身だしなみやオシャレに関心が湧かなくなる、不安などでじっとしていられない気分になったりします。

うつ病の身体的症状

体にも大きな影響が出てきます。
眠れなくなったり、朝早くに目覚めてしまう、夜何度も目を覚ましたり、熟睡できない、逆に過剰に睡眠をとってしまうなどの睡眠障害、食欲に関しても食欲がなくなったり、何を食べても美味しくなくなり食事が面倒になる、ダイエットをしていないのに体重が減る、逆に甘いものなどが欲しくなり過食してしまうケースもあります。
疲労感が抜けなくなるのも特徴です。
ベッドから起き上がる事さえ難しいので、外出などとても出来ない人も多いのです。
また、体がだるかったり疲労が回復しないなどのことによって、ホルンバランスも乱れていきます。
ホルモンバランスが乱れると女性なら月経不順、男性なら勃起障害が起こりやすくなり、男女ともに制欲も低下してしまいます。
その他の症状としては、頭痛や肩、腰、関節などが痛んでくる、便秘、動悸や胃の痛みなどうつ病は心身ともに大きな影響が出てきます。

うつ病で外出出来る5つの理由

精神的にも身体的にも外出するのが困難な人が多いうつ病ですが、中には出来る人もいます。
もちろん、外出出来るにはには理由があります。

体調には波がある

1つの理由は、うつ病になったからといって、ずっと上記のような精神的・身体的症状が続くわけではないということです。
うつ病の患者は、昼は気分が落ち込んでいて辛い状態なのに、夜になると急に体調が良くなるなど、波があると言われています。

新型うつ病の場合

2つ目の理由は、新型うつ病、もしくは非定型うつ病などと呼ばれているタイプの人は、その波が非常に激しい傾向があるということです。非定型うつ病は、特に若い女性に多いようです。
従来のうつ病は、数週間から数ヶ月という周期で波がありますが、非定型タイプの場合には、気分の変動が激しく、1日のうちに何度も気分が落ち込んだり、普通の状態に戻ったりします。
外出でも楽しいと感じているのであれば、軽度の新型うつ病の人にとっては、さほど難しい事ではありません。
但し、新型うつ病の特徴の一つである「鉛様麻痺」で体が鉛のように重く感じる症状が出ていると、外出するのは非常に困難です。

症状が軽い

3つ目の理由は、うつ病そのものの症状が軽い人もいるというものです。
気分が落ち込むと、外に出てはしゃいだりすることは難しくなりますが、症状が軽い人ならば、それができることもあります。
あるいは、仕事をすることは難しいが、外に出て遊んだり、買い物をしたりといったことは普通にできるということもあるでしょう。
症状が軽い人は普段と比べて、それほど行動に制限はありません。
「遊びに行けるくらいだったら会社で働けよ!」と言う人がいますが、遊びと仕事ではストレスの大きさが全く異なります。
うつ病はストレスを感じた時に症状が強く出るので、いざ働こうとすると途端に体調が悪化するのです。

うつ病のタイプによって外出が出来る人もいる

しかし、外出ができるからといって、軽度であると決め付けてしまっていると、危険です。
うつ病にはさまざまなタイプがありますので、外出をするという部分では問題がなくても、他のところで大きな問題を抱えている人もいます。
例えば、普段となにも変わらない状態であると見られていた人が、急に自殺未遂をしてしまうことがあります。
これが4つ目の理由であり、外出するという部分では問題がなく、他の部分で異常が起きているケースです。
上述した症状は個人差が大きく、人によって出てくる症状や重さが異なります。
外出出来るからと言って安心するのではなく、総合的に判断をする必要があります。

理解者がいる時

最後に、家族や友達、恋人などのサポートがある場合には、外出ができる人も多いということです。
家族や友達がいると言うだけで、精神的に安定するために外出出来る事があるのです。
うつ病の人は、外に出ることを嫌がる傾向がありますが、引きこもっていると、ますます症状が悪化して、別の病気にも発展してしまうことがあります。
一人で無理ならば、家族や友達、介護スタッフなどの力を借りて、できるだけ外出をするようにしましょう。

うつ病で外出できるのは良い兆候

うつ病で外出できていると、「しんどそうにしているのは、嘘だ!」「普段は怠けているだけだ!」と非難する人がいます。
あるいは、うつ病患者自身も「私は働けるのに、こんなに怠けてダメな人間だ」と自己否定しがちです。
しかし、うつ病が回復する過程において、外出すると言うのは大切なステップです。
会社を休職した人が復職をする時も、まずは外出する事から慣れるようにします。
うつ病は脳の病気なので、一朝一夕に回復はしません。
「外出出来る=うつ病が治った」ではないですが、それまで出来ていない人が出来るようになることは良い兆候と言えます。
低下した脳の機能が少し回復したともいえるでしょう。
本当にうつ病を克服するには、長い月日が必要ですが、まずは一歩前進出来た自分を褒めてあげましょう。

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