「動きたくても動けない!」うつ病の鉛様麻痺とは?

自由に動き回るうつ病

うつ病の症状として、「動けない」と言うものがあります。
「体が五体満足なんだから、動けないわけないだろ!」と言う声は当然あるのですが、動けない物は何と言われても動けないんですよね。
通常の人が感じる疲労感などは、身体にたまる疲労をさしますが、うつ病、特に新型うつ病の人の場合、精神的疲労により「動けない」状態になります。

従来のうつ病でも、倦怠感と言ったり、疲労感と言う言葉で表現されますが、新型うつ病の場合にはもっと症状は深刻です。
「鉛様麻痺」と言って、その名の通り鉛のように体が重く感じます。
ベッドから起き上がったり、トイレに行くのでさえも、困難で大変なエネルギーを必要とします。

鉛様麻痺とは

新型うつ病の重要な症状の一つが鉛様麻痺です。
体がだるいと言うのを通り越して、全くと言って良い程体を動かせなくなります。
この鉛様麻痺は精神的なストレスとも関係が深く、嫌な事があると症状が出やすいと言われています。
しかし、私は嫌な事がない時でもこの鉛様麻痺に悩まされていたので、一概には言えないと思います。

精神的疲労について

通常肉体労働やスポーツをすると、FF(ファティーグ・ファクター)と言うたんぱく質が体内にたまり疲労を感じます。
以前は尿酸が疲労物質と考えられていましたが、現在の医学ではFF(ファティーグ・ファクター)が疲労の原因と言われています。
心臓病や糖尿病の原因にもつながると言われています。
このFF(ファティーグ・ファクター)はスポーツなどの身体的疲労だけでなく、精神的疲労にも関わっていることが明らかになっています。
例えば、朝から長時間、聞きたくもない社長の話を聞かされたりしたときも、このFF(ファティーグ・ファクター)は体内に蓄積されます。
では、疲労をどのように回復させればよいかと言うと、FR(ファティーグ リカバー ファクター)と言う疲労回復物質を体内に増やすことが大切です。
FRは、FFが発生すると作られます。
また、FFによって傷ついた細胞を修復して、身体・精神疲労から回復する働きをする効果があります。

FR(ファティーグ リカバー ファクター)を増やすためには

FRは、FFが生成されるような負荷を体にかける事で増やすことが出来ます。
年齢を重ねるごとに、このFRは生成されにくくなりますので、意識的に負荷をかけてあげたり、食事で接種する事が大切です。
例えば、

  • 入浴
  • 10分から20分程度の有酸素運動
  • 睡眠
  • アミノ酸化合物を含んだ食事

などです。

入浴

ぬるめのお湯10分程度浸かるようにしましょう。
熱いお湯につかると、交感神経が活発になるので逆効果です。
また、長時間のお風呂は体力を消耗するので、避けた方が良いでしょう。

10分から20分程度の有酸素運動

軽めの運動を毎日する事が大切です。
体力的にキツイ運動をすると、FFが大量に生成されるので逆効果です。
軽めの運動をした直後にはFFが生成されますが、すぐに消失します。
一方、FRは運動後数時間体内で生成されます。その間に疲労が回復する仕組みです。

睡眠

また、睡眠も重要な役割を持っていて、日中の運動では交感神経が優位に働いていて、FFの生成が活発になります。
一方、FRは生成が抑えられる傾向にあります。
しかし、睡眠をしている間は副交感神経が優位に働き、FRの生成が活発になります。
そのため、睡眠中に疲労は回復しやすいと言えます。
日中体を動かしたときは、昼寝をする事でもFRを増やして回復させることが可能です。

アミノ酸化合物を含んだ食事

アミノ酸化合物は肉、魚、卵、豆類に多く含まれています。
注意点としては、肉や卵は加熱することでアミノ酸化合物が固まってしまいます。
固まると吸収効率が下がってしまうので、肉ならレア、生卵の方がアミノ酸化合物を摂取するにはおすすめです。

鉛様麻痺は脳が感じる疲労

鉛様麻痺は身体的疲労とは異なり、脳が感じる中枢性疲労(精神的疲労)になります。
そう言った意味ではFF(ファティーグ・ファクター)も鉛様麻痺の原因に少なからず関係していると言えるでしょう。
いずれにしても体を動かすことは、鉛様麻痺を解消させるためにも有効な手段です。
体が鉛のように重たいわけですから、走ったり、スポーツをするのは無理ですが、可能な範囲でウォーキングなどの有酸素運動をする事で少しずつ回復させることが出来ます。
また、有酸素運動をする事でうつ病によって悪くなった脳への血流も改善します。
うつ病で体が動かない人は、軽めの運動、入浴、睡眠をしっかり取ることで、解消しましょう。
逆に、身体が動かないからと言って、部屋の中で閉じこもっていると、余計体は動かなくなってしまうので注意して下さいね。

コメント

  1. […] 2つ目の理由は、新型うつ病、もしくは非定型うつ病などと呼ばれているタイプの人は、その波が非常に激しい傾向があるということです。非定型うつ病は、特に若い女性に多いようです。 従来のうつ病は、数週間から数ヶ月という周期で波がありますが、非定型タイプの場合には、気分の変動が激しく、1日のうちに何度も気分が落ち込んだり、普通の状態に戻ったりします。 外出でも楽しいと感じているのであれば、軽度の新型うつ病の人にとっては、さほど難しい事ではありません。 但し、新型うつ病の特徴の一つである「鉛様麻痺」で体が鉛のように重く感じる症状が出ていると、外出するのは非常に困難です。 […]

  2. […] 特に新型うつ病の人を悩ましている「鉛様麻痺」はトイレに行く事すらままならないんです。 […]