鬱になったら必ずするべき3つのステップ|急性期・回復期・再発予防期の過ごし方

ステップうつ病

急性期とは(診断から3か月程度)

うつ病になり始めた時期のことで、症状が急激に変わるのが特徴です。
一日ごとに体調の変化があるばかりでなく、さっきまでは全く何もなかったのに5分後には起き上がれないほど強く症状が出たりします。
不眠症になったり、精神的に不安定になったり、頭痛や拒食などの身体的症状も強く出る期間です。

鬱で急性期にすべきこと

心療内科やメンタルクリニックで処方された抗うつ剤・安定剤、睡眠薬などを服用しながら、とにかく脳と体を休める事だけに集中します。
初めはうつ病患者に合った抗うつ剤を見つけるのに数か月かかるかもしれませんが、医師の処方された薬をしっかりと服用しましょう。
無理をして外出したり、気晴らしに旅行に行ったりすると、逆にうつ病が長期化するので注意が必要です。
体調が良い時は散歩程度するのは問題ないですが、それもしんどいようであれば無理にする必要もありません。
睡眠が取れないようになるので、スマホをずっと見たりする人がいますが、質の高い睡眠を取るためにも夜寝る前のスマホは止めましょう。

鬱のサラリーマンが急性期にすべきこと

仕事をしているサラリーマンの人は、会社に休職願いを申し出る必要があります。
主治医に診断書を書いてもらい提出をしましょう。
引継ぎなどの業務があると思いますが、会社によっては引継ぎを理由に休職を先延ばしにするところもあります。
そのため、診断書には「いつからいつまで就労不能」と記載をしてもらい、確実に休職できる体制を取ることが大切です。
休職期間中は、収入を途切れさせないために傷病手当金の申請を行います。
健康保険組合に詳細を確認して、必要書類を医師に記入してもらい傷病手当金を受け取れるようにしましょう。
傷病手当金は最長で1年半になっているので、焦らずに少しずつ回復させることが大切です。
この時期に復職する人もいると思いますが、復職する場合でも勤務時間を短くしたり残業をなくしたりして少しずつ慣らしていく事が大切です。
目標は再度休職することなく継続して勤務する事なので、体調が悪い日は無理をせずに休むことも大切です。

鬱の家族がいる人がすべきこと

ご家族の人がうつ病になったら、一度病院に同行するようにしましょう。
主治医からご家族の状態や、うつ病の症状について話を聞き、うつ病に対して理解をしてあげる事が大切です。
また、うつ病の人を見ていると、
「ゴロゴロしてばかりで何もしない」
「ずっとしんどいと言っているが、そんなにしんどいはずがない」
「早く働けるようになって欲しい」
「近所の人の目が気になる」
など不安や焦りが出てくると思いますが、うつ病になるとそれまで経験したことがないような苦しい症状に四六時中悩まされています。
今は、脳と体を休める事が何よりも大切なのだという事を理解して接するようにして下さい。

回復期とは(4か月から半年程度)

急性期を乗り越えると、少しずつ低下した脳の機能が回復する「回復期」に入ります。
急性期に比べると、症状も和らぎますが日によって体調が良かったり、悪かったりを繰り返します。
昨日は体調が良かったけれども、2、3日体調が悪くてしんどいと言った感じの波を繰り返しながら少しずつ回復していきます。
処方された薬もうつ病患者に合ったものが見つかり、抗うつ剤などの効果もしっかりと出ている時期です。

鬱で回復期にすべきこと

エネルギーが少しずつ出てくる時期でもありますが、そのために希死念慮が強くなり自殺をする可能性が高くなる事もあります。
心配事や不安な事があれば、迷わず主治医に相談するようにしましょう。
この時期になると体も少し動かせるようになります。朝起きて日の光を浴びながら近所を散歩するなどして、少しずつ元の生活にもどすようにしましょう。
体調が良くなると、精神科で処方された薬を止める人がいますが、まだしっかりと治っているわけではないので、必ず医師の指示通り服薬するようにして下さい。

サラリーマンが回復期にすべきこと

サラリーマンの人は、復職に向けた準備をしていきます。
いきなり職場復帰をするのではなく、朝起きて通勤電車に乗るなどして、日常のリズムを作るようにします。
昼間は図書館に行くなどして、心と体を仕事が出来る状態に少しずつ慣らしていきましょう。
急性期にはしんどくて会社に連絡を入れる事が出来なかった人も、回復期に入れば状況を会社に連絡をしましょう。
会社もあなたがいつ頃復職出来るのか、復職した後のフォローや勤務体制をどのようにするのかなど準備が必要です。
復職した後に、無理なくスムーズに業務に戻れるためにも小まめに会社に連絡する事が大切です。
また、主治医にいつ頃復職できるか、復職した後はどのようなスケジュールで勤務すれば良いかを確認して、会社にもフィードバックします。

鬱の家族がいる人がすべきこと

回復期に差し掛かると、見た目にも元気になってきますが、まだまだ辛い事も多いのがこの時期です。
体調が悪そうにしていれば、無理をさせないようにして、精神的にもサポートするようにして下さい。
また、希死念慮が強くなり発作的に自殺をする可能性が高い時期です。
文句や愚痴を言うなどして、刺激をする事がないように注意して下さい。

再発予防期とは(1年から2年)


回復期を過ぎると心身ともに元の状態に近づきます。
復職する事も出来て、表面的には以前の生活にも戻れます。
しかし、うつ病は再発しやすいと言う特徴があります。
元の状態に戻ったからと油断をしていると、再発をさせてしまい、その後何年も何十年もうつ病と戦わなくてはいけなくなるかもしれません。
再発予防期には、そう言ったリスクがある事を念頭に置いてストレスを感じたらその都度解消するように心がけましょう。

鬱で再発予防期にすべきこと

処方されていた薬も少なくなり、うつ病の症状もなくなってくるので、医師に無断で断薬する人がいますが、絶対にダメです。
薬を減らすのにも1カ月、2か月と時間をかけて少しずつ減らしていかないと、依存症の症状が強く出て、再び薬が増える事はよくある事です。
医師と連携をしっかり取って、時間がかかっても着実に減らしていきましょう。

サラリーマンが再発予防期にすべきこと

順調に復職出来ても、いつ再発するか分からないのがうつ病です。
一度休職したうつ病の人が、再度休職をする割合は40%程度いると報告されています。
過去に出来た仕事をそのまま元通り出来るようになるには、まだまだ時間がかかります。
もどかしいかもしれませんが、ストレスの多い仕事は極力避けるようにして、体調を優先しましょう。

鬱の家族がいる人がすべきこと

うつ病は良くなるのはゆっくりですが、悪くなる時はあっという間です。
再発をさせると、うつ病は更に治りにくくなります。
日々、生活を送っている中で再発の兆候が見られた場合はすぐに主治医に相談するようにしましょう。

鬱になったら仕事よりも体を優先

サラリーマンやOLの人はうつ病になってもなかなか休職しなかったり、焦って復職を勧める人が多いですが、無理をすると必ずといって良いほど鬱は再発します。
一度再発させるとその後半年から1年間は、また働けない日々がやってきます。
中には、何十年もうつ病を患っている人も多い事を考えると、うつ病になってからの最低1年間は仕事よりも体を優先させましょう。
元気になれば、また仕事もバリバリこなせるようになりますし、趣味やスポーツを楽しむ事も出来ます。
人生の中のたった1年間なので、無理をせず、ゆっくり体を休ませてあげましょう。

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