うつ病は脳の病気でウィルスや細菌性の病気ではないので、空気感染や血液感染でうつる事はありません。
うつ病患者は日本だけでも約100万人いるとされています。
仮にうつる病気だとしたら、世界中がうつ病患者だらけになってしまいますが、そんな事はあり得ません。
しかし、何も知らないとまるでうつ病が伝染しているように見えるのは確かです。
うつ病の原因
うつ病になる原因ははっきり解明されてはいませんが、脳の神経伝達物質が減少する事が分かっています。またストレスが限界を超えたり、脳に外傷を負ったり、環境の変化などが引き金になる事が多いと言われています。それ以外にも遺伝的要素が大きい事も知られています。
うつ病がうつる原因
うつ病が他人にうつる原因としては、大きく2つあります。
環境と遺伝です。
環境が原因でうつ病がうつるケース
身近にうつ病患者がいる場合、世話を親身に行う人が多くいます。
改善させるためには、周囲の人、特に家族の助けが必要になってくるのですが、あまりに親身になりすぎる事で心身ともに疲弊してしまいます。
医師から「うつ病患者のいう事は出来るだけ否定しないようにして、共感してあげて下さい」と言われた人も多いのではないでしょうか?
うつ病はなったものにしか、その苦しさは分からないですが、共感してもらえることで安心する事が出来ます。
逆に否定されると、「この人は何もわかってくれない」と相手を拒絶してしまいます。
一度拒絶をしてしまうと、そこから信頼関係を回復させることは困難で、うつ病の症状も悪化する一方になります。
うつ病患者に共感する事でうつる
このように、うつ病患者にとって共感してあげる事は救いになりますが、一方で家族にとってはうつ病がうつるリスクが高くなるとも考えられます。
うつ病患者の思考はネガティブで、時には自殺をほのめかす事も口にします。
また、話をしていても解決しない事を延々聞かせれるのはうんざりするでしょう。
そのたびに共感していると、ネガティブな思考が伝染してストレスも大きくなり、心的エネルギーが失われてうつ病がうつってしまう事があります。
例えば、奥さんや旦那さんがうつ病になり親身に看病をしていると、心身ともに疲弊して夫婦間でうつ病がうつる事があります。
特にうつ病が何年、何十年と長期間に及んでいる人は注意が必要です。
遺伝的要素でうつ病がうつるケース
もう一つうつ病がうつる大きな原因として挙げられるのが遺伝です。
血縁関係にある親子や兄弟がうつ病を発症している場合、自分もうつ病になる確率は通常の人の1.5倍から3倍増えると言われています。
そのため、親子・兄弟が発症していて、なおかつストレスがかかることがあれば、自分も発症する可能性は高いと言えます。
この場合も、はたから見ればうつ病がうつったように見えるかもしれません。
血縁関係にある家族がうつ病になると
特に、血縁関係にある家族を親身に世話をすると、「環境」と「遺伝」どちらのリスクも大きくなるので、うつ病はかなりうつりやすくなってしまいます。
実際、私がうつ病になった時には、妻ではなく母親がうつってしまいました。
わが子を思う気持ちと、遺伝の要素でうつ病がうつってしまったのです。
治る時も同じタイミング
しかし悪い事ばかりではありません。
うつってしまっても、片方のうつ病が良くなると、相乗効果でもう一人のうつ病が改善する事はよくあります。
通常うつ病の克服方法は千差万別です。
個人差が大きいために、あるうつ病患者では心理療法が効果が高かったとしても、別のうつ病患者には全く効果がなかったりします。
しかし遺伝的要素でうつ病がうつった場合、片方のうつ病患者が治った方法で、もう一人のうつ病も改善する可能性は高くなります。
心理的にも、同じ境遇で苦しんでいた肉親が克服したら、「よし、自分のうつ病も絶対によくなるはずだ!」と勇気づけられるものです。
私の場合、母親がうつ病を克服した方法の一つに、ウォーキングやストレッチを毎日やっているという事がありました。
停滞している脳の血流が改善して、睡眠もとりやすくなったのでうつ病が改善したと思うのですが、私も同じ方法でうつ病を克服する事が出来ました、
うつらないためには
親しい人がうつ病で苦しんでいると、何とか助けてあげたいと思うものですが、極度に共感をするのは危険です。
うつ病がうつって、共倒れしてしまうと、生活自体が困窮して取り返しのつかない事になるかもしれません。
親身に世話をするのは良い事ですが、うつ病がうつらないように、ストレスを発散する事を忘れないようにしましょう。
また、重度のうつ病で世話が大変な場合には「介護うつ」になる事もあります。
これ以上の世話は無理だと思ったら、入院をさせるのも一つの方法ですよ。
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