フェイスブックやツイッターなどのSNSを見ていると「うつ病が治らない」と苦しんでいる人を多く見かけます。
うつ病は医学的には決して治らない病気ではないにも関わらず、多くのうつ病の人は治すことが出来ません。
実はこの人達には、共通している間違ったマインドがあります。
うつ病で間違った考え方
それは、「うつ病は心の病気」と言う間違った考え方です。
実際には「うつ病は脳の病気」です。
巷ではうつ病は心の風邪、心の病気、精神病と位置付けられていますが、現代医学ではうつ病は間違いなく脳の病気と結論付けられています。
「うつ病が治らない」と言っている殆どの人は「うつ病は心の病気」と認識しています。
精神的な病であれば、メンタルを鍛えれば治りそうですよね。
あるいは、息抜きをすれば改善しそうなものです。
転職して職場環境を変えれば、悩んでいたストレスが無くなる訳ですから治るはずです。
結婚生活が嫌であれば、離婚をすれば解決しそうなものです。
しかし現実にはこのような事をしてもうつ病は治らないですし、何年もうつ病の症状に悩まされる人が日本には何万人もいます。
では、どうすればうつ病を治すことが出来るのか。
うつ病を治すために必要な事
大切なことは、「うつ病は脳の病気」という事を理解して、低下している脳の機能を回復させる治療を行う事です。
うつ病になると、脳の機能が低下して脳内ホルモンであるセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンが減少します。
また、前頭葉への血流不良も起こっています。
そして低下した脳が機能を修復するために一番必要な事は睡眠です。
日本の睡眠研究のパイオニアである井上昌次郎・東京医科歯科大名誉教授は、
「睡眠は脳をつくる、脳は睡眠をつくる、睡眠は脳を守り、修復し、賢くする」
と言っています。
特に人間の脳は1200グラム以上と他の動物と比べて大きいので、機能低下した脳を修復するためにはしっかりとした睡眠が必要なのです。
質の高い睡眠をしっかりと確保できれば、人間の本来持っている自然治癒力により傷んだ脳は修復され、うつ病は少しずつ治っていきます。
つまり睡眠障害を改善する事がうつ病を治す一番の薬なのです。
うつ病が治らないのは睡眠障害が主原因
しかし、厄介な事にセロトニンが減少している状態では睡眠障害になり質の高い睡眠を取ることは困難です。
だからこそ多くのうつ病患者は「治らない」と辛い思いをしているのです。
うつ病になる→セロトニンが減少する→不眠症になる→脳が疲れる→うつ病が悪化する
の悪循環に陥るのです。
ではどうすれば睡眠障害を改善出来るかと言うと、一つは抗うつ剤と睡眠薬をしっかりと服薬する事です。
うつ病で精神科を受診すると、流れ作業のように、抗うつ剤、安定剤、睡眠薬を処方されます。
「精神科で処方される薬なんか怖くて飲めない。依存してしまうのでは?」とまともに飲まない人が多いですが、これは間違っています。
安定剤は不安定になった精神状態で仕事をするためには不可欠なものですし、抗うつ剤は対症療法ですが減少しているセロトニンやノルアドレナリンの量を増やしてくれます。
抗うつ剤によりセロトニンを増やし、睡眠薬を飲んで熟睡する事で低下した脳の機能は回復傾向に向かいます。
確かに何年も精神科で処方されるこれらの薬を服薬すると、ベンゾジアゼピン系のように依存症状が出るものもあります。
睡眠障害を治す家庭用治療器
そう言った人は電位治療器を使用する事をおすすめします。
電位治療器は楽天やAmazonで2万円弱出せば購入出来る家庭用医療機器です。
安いにも関わらず電位治療器には、4つの効果が承認されています。
- 不眠症
- 肩こり
- 頭痛
- 便秘
です。
電位治療器はうつ病と相性が良いと言われています。
不眠症や血流不良からくる頭から肩にかけてのコリ、薬の副作用で必ず出てくる便秘に効果があるからです。
実際、いくつかの病院ではうつ病患者に電位治療器の使用を勧めているところがあります。
私も毎日使用する事で、頭痛や肩こり、不眠症、便秘が改善しました。
それにより、長年苦しんできたうつ病を克服する事が出来たのです。
電気けいれん療法でうつ病を治す
また、私は薬物療法以外にも治療を行いました。
それは、電気けいれん療法です。
電気けいれん療法とは、両方のこめかみに電流パッドを張り付けて筋弛緩剤、全身麻酔を行った状態で、電流を流して脳にけいれん発作を起こさせる治療法です。
これだけ聞くと恐ろしい治療法に聞こえますが、日本を含め世界中のうつ病治療で高い有効率を誇っています。
厚生労働省が発表している電気けいれん療法におけるうつ病への有効率は84.8%となっており、日本全国で356施設の病院で行われています。
年間で実に42,358件の電気けいれん療法が日本では実施されているのです。
安全性も非常に高く、死亡や重度の障害が残る確率は5万分の1から8万分の1と言われています。
つまり、全身麻酔によるリスクとほぼ同等程度と驚異的に低い数値なのです。
電気けいれん療法がなぜうつ病に効果が高いかと言う詳細な理由は、いまだに解明されていません。
電気けいれん療法は、脳にけいれん発作が起こるとうつ病が改善すると言う事実から治療に発展したものだからです。
しかし、一部は研究で解明されています。
それは、「ドーパミン」の量を増やすという事です。
抗うつ剤では、セロトニンとノルアドレナリンの量しか調整する事は出来ません。
ドーパミンに関しては武田薬品など一部の製薬会社が開発を進めていますが、現在の薬学では開発出来ていないのが現状です。
ドーパミンが減少していればうつ病は治らない人もいる
うつ病は個人差(個体差)がある病気です。
ある人はセロトニンの分泌量がすくなくなっているかもしれませんが、別の人はドーパミンが減少しているかもしれません。
もしあなたの脳がセロトニンやノルアドレナリンではなく、ドーパミンの減少度合いが大きければ、幾ら薬物療法を受けても治らないのは当たり前です。
将来的には、ドーパミンに作用する抗うつ剤が開発される可能性は高いですが、現在うつ病が治らないで辛い思いをしている人は電気けいれん療法を受ける事をおすすめします。
これまで「どんな治療をしてもうつ病が全く治らなかった」と悩んでいる人でも、かなり高い効果が期待出来ますよ。
社会復帰がうつ病を治らなくする
うつ病になると最低でも半年間は治療を受ける事になります。
また、改善したとしても完治ではなく寛解と呼ばれていて、再発のリスクが常に付きまとう事になります。
そんな状態で職場復帰をするわけですから、過去に行っていた仕事を同じようにこなすのは困難です。
しかし、多くのうつ病の人は「昔出来ていたのだから、今も出来るはず」と頑張って仕事をします。
多少しんどくても、「これ以上会社に迷惑はかけられない」と歯を食いしばって頑張るのです。
結果は火を見るよりも明らかで、あっという間にうつ病は再発してしまいます。
軽度のうつ病であれば、職場復帰する事も可能ですが、中度・重度のうつ病になったのであれば、既存の仕事を同じようにこなせるとは考えない方が良いです。
会社に相談して、配置転換や業務の軽減、残業をしないなどの配慮をしてもらって下さい。
また、会社を退職したのであれば、転職する時はうつ病をオープンにして就職活動を行った方が賢明です。
精神障害者として働くことは屈辱に感じるかもしれませんが、あなたが給料をもらう事で生活できる大切な人がいる事を忘れないでください。
うつ病は再発を繰り返せば繰り返すほど、治りにくくなります。
そもそもうつ病は脳の病気なのですから、そんな簡単に元の状態になる訳がありません。
ストレスから離れて何年も治療を根気よくする事で、少しずつ改善するものです。
これから何年も「うつ病が治らない」と嘆き悲しむよりは、精神障害者になっても早期に克服するのが賢い選択です。
コメント