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うつ病で労災申請する前に抑えておきたいポイント

 2017/05/20 うつ病 労災
この記事は約 6 分で読めます。 127 Views

平成27年度に精神疾患で労災を請求した件数は、1515件。
そのうち、支給決定件数は472件です。
うつ病の正確な数は公表されていませんが、およそ3人に1人しか労災認定されていないのが現状です。
ただし、弁護士などに依頼をすると、この確率は少し上がっているようですね。

うつ病の労災認定要件

厚生労働省によると、うつ病など精神疾患による労災認定要件は、下記の3つです。

  • 精神疾患を発病していること
  • 精神疾患の発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
  • 業務以外の心理的負荷及び個体的要因により精神疾患を発病したときは認められないこと

この中で、特に重要視しているのは、【精神疾患の発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること】です。

うつ病で労災認定される理由

業務による強い心理的負担には、

  • パワハラ
  • セクハラ
  • 過重労働
  • 長時間労働

などがあります。
その場合、労災認定を受けることができます。
精神の病気であるうつ病になってしまった場合でも、認定を受けることができます。

パワハラ

パワハラとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」をいいます。
つまり、上司や先輩、役職が上の人間がその立場を利用して、精神的や肉体的に苦痛を与える事です。

パワハラの例としては、

  • 「お前なんて役に立たない」「給料泥棒」「会社辞めろよ!」など侮辱する言葉を言う
  • 身体的に暴力をふるう
  • 机などを「ドン」と叩いて威嚇する
  • 大声を出す
  • 会社内で孤立させる
  • 根拠のない悪い噂を広める

などがあります。

セクハラ

セクハラとは「性的嫌がらせ」の事です。
セクハラには

  • 職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に性的な要求をして、応じなければ不利益を与える「対価型」
  • 性的嫌がらせを受けて職場環境が悪化する「環境型」

があります。

セクハラの例としては、

  • セックスを求めたけれども、応じなかったので減給や解雇をする
  • お尻や胸をさわる
  • 会社内で性的な発言を繰り返す
  • 容姿や体、夫婦関係などの質問をする

などがあります。

長時間労働

うつ病などの精神疾患が労災認定される基準としては、厚生労働省が平成23年に「精神障害労災認定」として定めています。
主に下記の3つによって、長時間労働によってうつ病が労災に認定されるかどうかを判断します。

①「特別な出来事」としての「極度の長時間労働」
・発病直前の1か月におおむね160時間以上の時間外労働を行った場合
・発病直前の3週間におおむね120時間以上の時間外労働を行った場合

②「出来事」としての長時間労働
・発病直前の2か月間連続して1月当たりおおむね120時間以上の時間外労働を行った場合
・発病直前の3か月間連続して1月当たりおおむね100時間以上の時間外労働を行った場合

③他の出来事と関連した長時間労働
出来事が発生した前や後に恒常的な長時間労働(月100時間程度の時間外労働)があった場合、心理的負荷の強度を修正する要素として評価します。
⇒転勤や異動などの前後に100時間を超える時間外労働があった場合があてはまります。

労災のメリット

うつ病で労災認定されると、

  • 治療費が無料になる
  • 給料の約8割が支給される
  • 受給期間の制限がない

と言ったメリットがあります。

治療費が無料になる

健康保険で治療を受けた場合、治療費の3割を負担しなければなりません。
治療に2年かかったとします。
それから1回当たりの治療費が3.000円かかり、月に2回、病院に通ったとします。
この場合、治療費は合わせて15万円ほどになります。
自立支援医療を使ったとしても、1割負担は負担しなければいけません。
また、入院費などは3割負担なので、電気けいれん療法などの治療を受けると大きな出費になります。
しかし労災認定されると治療費が全て無料になります。
数年でうつ病が寛解すれば良いですが、10年以上疾患している人もいる事を考えると、治療費が無料になるのは経済的に助かります。

給料の約8割が支給される

労災保険では、休業損害について、平均賃金の60%に相当する休業補償給付と、20%に相当する休業特別支給金の合わせて給料の80%を受けることができます。
傷病手当金の支給額は給料の約67%ですが、それよりも多い事になります。
しかも、ボーナスや残業代も含まれるので、長時間労働をしてうつ病になり労災認定されるとかなり金額的にも大きくなります。
障害厚生年金では、奥さんやお子さんがいても、月に15万円程度しか受け取れません。
元々貰っていた給料の金額にもよりますが、役職が付いている人であれば労災が金銭的に一番優遇されていると言えます。

受給期間の制限がない

傷病手当は期間が最長でも1年半しかもらえないので、完解しなかった場合生活に困窮する事になりますが、労災であればうつ病の症状が治癒するまでずっと支給されます。
そのため、生活費は完全に保証されていると考えて良いでしょう。
また障害年金の場合、一度承認されると2年から3年間は保証されます。
しかし、更新時期になると診断書を再度提出して審査を受けなければいけないので、精神的にもゆとりは出来ません。
労災に認定されれば、時間をいくらかけても、治療費をいくらかけても良いので、じっくりうつ病治療に専念できる体制が整っていると言えます。

また、認定されて休んでいる期間に解雇されるようなことはありません。
復職してから30日間は、解雇もされません。

労災認定する流れ

認定するにあたって、その調査官が本人、家族、主治医、上司、同僚にヒアリングと呼ばれる事情聴取を行います。
ヒアリングの際に聴かれることに対して、ちゃんと答えられるよう準備をしておきましょう。
認定されやすい答え方がありますからそれを把握しておきましょう。
また、意見書の提出も求められます。
意見書、また労災の申請書においても、認定されやすい書き方がありますから、それも心得ておきましょう。
それから、認定の際、必要があれば職場の実態調査も行われます。
そのことも踏まえてください。
認定されるまでに6ヶ月~8ヶ月ほどかかります。
その期間の生活費については、傷病手当金を受け取ることができます。

うつ病で労災申請するなら

うつ病で労災認定される件数は年々増加していますが、割合的には決して高くはありません。
仕事に起因するうつ病は相当数いますが、労災を申請する人はほとんどいないのが現状です
また、精神状態が不安定な中で会社を敵に回す事にもなりかねない労災は、ハードルがかなり高く、しんどい作業になります。
会社が労災の手続きに前向きであれば、申請をした方が良いですが、そうでない場合は弁護士に依頼をするのが良いでしょう。

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ライター紹介 ライター一覧

辻田 哲

電気けいれん療法コミュニティ【Serapis】会長。自身もうつ病と6年間戦い、最終的に電気けいれん療法で人生を取り戻した。
Serapisでは副作用のリスクの少ない電気けいれん療法を実施している病院選びのポイント、障害年金2級の受給ポイント、再発をさせない働き方、あなたにも出来るアフィリエイトを紹介している。
現在は精神障害者として人事を担当する傍ら、副業のアフィリエイトで月に約50万円の収入を得ている。
コミュニティで紹介している【ゴール逆算型障害年金2級ポイント】は特に参加者からの人気が高い。