世界のうつ病人数は?人口比率で見ると日本は10人に1人と低いが・・・

うつ病の世界地図うつ病


近年、うつ病で悩む人が増えてきています。
厚生労働省の調査によると平成20年の段階で躁うつ病を含む気分障害の患者人数は70万人以上おり、人口の16人に1人の割合で生涯1度うつ病にはかかるとも言われています。
また、平成23年には95.8万人へと急増しているとの報告もあります。

2週間気分が落ち込んだ時は要注意

気分が沈んでしまい、やる気がなくなったり、悲しくなることは誰もがあります。
ですが、このような滅入った気持ちが一日中続き、2週間以上も改善しない時は、うつ病を疑ってみたほうがよさそうです。
一言で、うつ病と言ってみても、その症状にはさまざまなものがあります。

先ほどの気持ちの低下の他には、好きだったことへの興味がなくなったり、向上意欲の低下もあげることができます。
社交的だった人が、急に家にこもりはじめるのも、うつ病のサインの可能性があります。

体調に現れるうつ病の症状

さらに、心の変化のほかに、体調にもあらわれることがあります。睡眠障害や食欲の低下、肩こり頭痛や首の痛みに繋がることもあるので注意が必要です。
うつ病には、いくつかの種類があります。その中の1つに、新型うつ病があります。

新型うつ病の特徴

新型うつ病は、責任のある役割から逃げたいと思ったり、面倒な問題から逃れようとする言動をしがちです。
そのため、わがままと判断されがちですが、本人は非常につらい思いをしていることが特徴です。

新型うつの症状として、過食や過眠があげられます。そのため体重が急激に増え、健康を害することもあるので気を付けましょう。
また、鉛様麻痺など体が重くて動かないなどの症状もあります。
マリッジブルーやマタニティーブルーなども、うつに分類することができます。環境の変化に加え、マタニティーブルーはホルモンバランスが崩れることも影響してきます。
環境の変化に対応したり、出産育児が落ち着くことで症状が改善することもありますが、つらい場合は専門医に頼ることが大切になってきます。

このように、うつには多くの種類があり、患者が増えてきている印象がありますが、世界の人口比率から見ると、日本人のうつ患者人数は少ない傾向にあります。
世界保健機構は、2015年推計で世界に3億2200万人のうつ病患者がいると発表しています。

アジアのうつ病患者数

うつ病の世界地図

その中でアジア地域はうつ患者人数が少なく、中でも日本は最少だというデータがあります。
但し、5人に1人以上のうつ病患者がいるアフガニスタンは世界の中でも最高になっています。

具体的には、世界16カ国(各1000人)を対象に行われた16~64歳の働く人に占める「うつ病と診断された経験者の割合」調査で、うつ病と診断されたことのある割合はイギリスでは約27%、アメリカでは約23%です。

日本のうつ病患者数の推移

それに対して日本では約10%と、2分の1以下の割合となっています。
これだけ見ると、日本は世界の中でうつ病患者人数が少ない国の一つに分類されます。

日本でのうつ病患者数は2000年頃から上昇する傾向にあります。
原因は、ストレスになる要因が社会に増えたことがあげられますが、それ以上に、うつ病が一般的に知れ渡るようになったことが大きいようです。

テレビや新聞などのメディアで取り上げられる機会が増えたことで、症状が重症化する前に専門の機関で治療を受けやすくなりました。
さらに、患者の周囲の人がうつのサインを発見し、受診を促すことも多いようです。

今まで原因が分からずに苦しんでいた人が、もしかしてうつだと気づけるようになってことも関係してきます。
そのため患者数が増えているように見えるのです。
しかし実際は更に多くのうつ病患者がいるとされています。
厚生労働省によると「世界精神保健(WMH)調査データによる国内のうつ病の有病率を元に、医療未受診者も含めたうつ病患者の推定値250万人超となる。」と報告されています。
実に日本では4人に1人がうつ病に疾患しているとされているのです。

自殺の原因「うつ病」は2位


平成19年以降の警察庁統計によると、自殺の原因は「経済・生活問題」に続きうつ病は2位に入っています。
治りにくく再発のリスクも高い病気であるだけでなく、うつ病自体の症状があまりにも苦しい事が要因として挙げられるでしょう。
また、周囲の人の理解を得にくいため、自己嫌悪に陥りやすく、どこにも逃げ場所がなくなるので最終的に自殺と言う最悪の選択を余儀なくする人も多いと考えられます。

うつ病は早期治療が基本

うつ病を効果的に改善させるためには、早期の段階で専門医の相談を受けることが大切になってきます。それと同時に、抗うつ剤などの薬を利用することが重要になってきます。
うつ病の薬として利用されるSSRIやSNRI、NaSSAなどには、服用することで気持ちを楽にする作用があります。ですが、副作用が心配で服用を拒む人も少なくありません。
薬を服用せずに症状を改善させるのは、非常に困難なうえに、時間がかかります。
つらい気持ちが長く続くため、うつが悪化する可能性もあります。
本気で症状を改善したいなら、専門医と良く相談して薬の服用を進めることが大切になってきます。
まずは薬を服用して、睡眠をしっかり取るように心がけてみましょう。

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