うつ病の特徴は表情や顔に出ない人も多く、身体的な症状に苦しむケースも・・・

自分を責めているうつ病の男性うつ病

うつ病は個人差がある病気なので、「必ずこの症状が出る」と言った特徴は決まっていません。
ただ、主な特徴はある程度決まっていて、その中で人によって出てくる症状が変わってきます。
うつ病はメンタルの疾患と言う位置付けになっているため、精神的な特徴しかないと思っている人も多いですが、実際には身体的な特徴も数多くあります。

うつ病の精神的な特徴

うつ病の精神的な特徴としては、

  • 不安感
  • 焦燥感
  • 希死念慮
  • 意欲が出ない
  • 喜びの喪失

などがあります。

不安感

何をするにも自信が無くなり、挙動不審になる事があります。
不安感が強いうつ病の人は、表情やしぐさに現れやすく、挙動不審になったり、ソワソワした態度を取るようになります。
精神的に不安定な状態では、ストレスもたまりやすく、ゆっくり体を休める事が出来ません。
このような特徴が出るうつ病患者には「安定剤」を処方する事で、精神的に落ち着きを取り戻させます。

焦燥感

些細な事にもイライラして、攻撃的になるのが特徴です。
心の中で常に焦りがあるので、緊張状態が続き、気の休まる時がありません。
交感神経が活発になってしまっているので、深呼吸やストレッチ、入浴などをする事で副交感神経を優位にしてあげる事が大切です。
また、カウンセリングや認知行動療法なども効果的なので、治療に取り入れてみるのもおすすめです。

希死念慮

心の底では「死にたくない」と思っているにも関わらず、死にたくなる衝動が出てしまいます。
新型うつ病の特徴的な症状で、本当に自殺をして命をなくす人も大勢いるので、油断は禁物です。
希死念慮が強い時には、頓服を服用して、少し落ち着いたら必ず主治医に相談をするようにして下さい。
場合によっては、電気けいれん療法をする事が効果的な場合もあります。

意欲が出ない

「意欲が出ない」と言うと、「そんなものは気の持ちようだ!」と否定する人がいますが、気持ちをコントロール出来なくなるのがうつ病の特徴です。
ストレスの掛け過ぎによって、脳が危険信号をだしている状態なので、意欲が出ない間は、基本的にゆっくり療養する事が大切です。

喜びの喪失

笑顔が無くなるのもうつ病の特徴です。
これまで興味があったものに対しても、興味を示さなくなり、趣味なども出来なくなります。
テレビなども見る事が少なくなり、心の底から笑う事が出来なくなります。
表情が乏しくなったり、常に暗い表情になる人が多くいます。

うつ病の身体的特徴

うつ病では、身体にも様々な影響が出てきます。

  • 睡眠障害
  • 食欲の減退(もしくは過食)
  • 倦怠感
  • 頭痛・首や肩のコリ

などは、うつ病の人に多く見られる特徴です。

睡眠障害

9割は不眠症になり、残りの1割が過眠になると言われています。
脳の機能が低下しているうつ病において、脳を正常に戻すためには睡眠を取ることが最優先されます。
そのため、不眠症の人には睡眠薬を処方して、多少強引にでも脳を休息させます。

食欲の減退(もしくは過食)

従来の大うつ病では、食欲が減退して体重が見る見るうちに減っていく人が多いと言われています。
一方、新型うつ病では過食になる人が多く、特に甘いものが異常に食べたくなります。
向精神薬や抗うつ剤には食欲増進の効果があり、体重の異常な減少を抑えてくれます。

倦怠感

体がだるい、重く感じるのはうつ病の特徴です。
また、新型うつ病では、「鉛様麻痺」と呼ばれている症状が出る事があり、身体が鉛のように重く感じて、トイレに行く事すら困難になります。

頭痛・首や肩のコリ

うつ病になると脳の血流が悪くなります。
それに伴い、頭痛や肩・首のコリを訴えるうつ病患者が多くいます。
そのまま放置しておくと、血流は更に悪化するので、適度にストレッチをする事が大切です。

うつ病患者の脳

うつ病患者の脳は、モノアミンと呼ばれている「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」が減少していると言われています。
この中でも特に精神的に大きく映鏡を与えているのが、セロトニンで、精神的に不安定なったり、不眠症の原因となっています。
脳内のセロトニンやノルアドレナリンを増やすために処方されている抗うつ剤としては、SSRI、SNRIなどがあります。
但しこれらの抗うつ剤はあくまで対症療法に過ぎないので、根本的にうつ病を治す事は出来ません。

うつ病を治すためには、精神的に安定して、質の高い睡眠を取り、栄養バランスの取れた食事を3食取る事で、初めて自然治癒力が働き、少しずつ回復していくものです。
そのため、ある程度の薬は必要不可欠になります。
精神科で処方される薬に抵抗を感じるかもしれませんが、独断で断薬したり、薬を飲んだり飲まなかった理を繰り返すと、返ってうつ病を長期化させるので気を付けましょう。

うつ病は顔や表情に出ない人も多い

うつ病は見た目では分かりにくい病気です。
確かに、笑顔が少なくなったり、しんどそうになる人もいますが、多くの人は外見からは見分けがつきません。

しかし、注意深く観察すると、ある一定の表情が顔に出る事も最新の研究で分かってきています。

それは、

  • 患者の表情に左右非対称の表情が生じる
  • 鼻から上の表情筋が動かなかい
  • 自殺願望を隠している入院患者の表情に悲しみの微表情が生じる

と言った事です。

しかし、これらの違いを見分けるためには、余程親しい間柄でないと難しいと言えます。
そのため、余計に「甘え」や「気の持ちよう」と考えられてしまいますが、うつ病本人は地獄の苦しみを味わっています。
見た目に元気そうだから大丈夫だろうとキツイ言葉を言ってしまうと、体調が悪化してしまうので、注意して下さいね。

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