てんかんでは障害年金が受給出来ないと間違った情報を聞いたために、労働や日常生活が制限されているにも関わらず諦めてしまっている人が多いです。
実際には、ある一定の障害の程度を満たしていれば、てんかんでも障害年金は受給出来ます。
具体的には、
障害の程度 | 障 害 の 状 態 |
1 級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上 あり、かつ、常時の援助が必要なもの |
2 級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、 もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制 限を受けるもの |
3 級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、 もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限を受ける もの |
となっています。
- A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
てんかんの程度と頻度及び、それに伴い日常生活や労働にどの程度制限を受けているかが障害年金を受給するポイントになってきます。
注意点としては、てんかんであっても「妄想」や「幻覚」等の症状がある人については、統合失調症の認定基準に従って障害等級が決定されます。
てんかんのICD10コード
てんかんのICD10コードはG40になっていて、種類によって下記の様に細かく分類されています。
- 脳炎後てんかん G09 G409
- 局所性痙攣 G400
- ジャクソンてんかん G401
- てんかん単純部分発作 G401
- 局所性てんかん G401
- 自律神経てんかん G401
- 焦点性てんかん G401
- 焦点性知覚性発作 G401
- 体知覚性発作 G401
- 遅発性てんかん G401
- 聴覚性発作 G401
- てんかん性自動症 G402
- てんかん複雑部分発作 G402
- 精神運動発作 G402
- 前頭葉てんかん G402
- 側頭葉てんかん G402
- 部分てんかん G402
- アトニー性非特異性てんかん発作 G403
- アブサンス G403
- ウンベルリヒトてんかん G403
- ミオクローヌスてんかん G403
- ラフォラ疾患 G403
- 強直間代発作 G403
- 若年性アブサンスてんかん G403
- 若年性ミオクローヌスてんかん G403
- 小児期アブサンスてんかん G403
- 進行性ミオクローヌスてんかん G403
- 定型欠神発作 G403
- 良性新生児痙攣 G403
- 良性乳児ミオクローヌスてんかん G403
- ヒプサルスミア G404
- レノックス・ガストー症候群 G404
- 症候性早期ミオクローヌス性脳症 G404
- 点頭てんかん G404
- 乳児重症ミオクロニーてんかん G404
- 乳児点頭痙攣 G404
- 拝礼発作 G404
- アルコールてんかん G405
- ストレスてんかん G405
- 持続性部分てんかん G405
- 睡眠喪失てんかん G405
- 片側痙攣片麻痺てんかん症候群 G405
- 薬物てんかん G405
- てんかん大発作 G406
- てんかん小発作 G407
- モーア症候群 G408
- 家族性痙攣 G408
- 光原性てんかん G408
- 術後てんかん G408
- 症候性てんかん G408
- 聴覚反射てんかん G408
- 難治性てんかん G408
- 反応性てんかん G408
- 腹部てんかん G408
- てんかん G409
- 後天性てんかん G409
- てんかん合併妊娠 O993
ただ、一般的にてんかん単独では障害年金の受給は難しいとされています。
これは、てんかん発作が起きてもうつ病と違い、精神的な影響がないため、日常生活や労働で制限を受ける事がほとんどないからです。
てんかんなどの精神疾患で障害年金を受給するためには、医師が記載する診断書とてんかん患者本人が記載する病歴・就労状況等申立書があります。
障害年金の等級判定において一番重要視されるのが、診断書になります。
また、診断書の中でも、特に日常生活能力の判定と程度が重要になってきます。
日常生活能力の判定としては、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び対人関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
があります。
てんかんで障害年金を受給するポイント
てんかんで障害年金を受給するためには、日常生活能力の判定においてどの程度制限を受けているかを医師に正確に伝える必要があります。
例えば、「身辺の安全保持及び危機対応」では、普段は問題ないかもしれませんが、てんかん発作が起きた時にはかなり危険な状況が想定出来ます。
また、障害年金では就労状況も大切になってきますが、てんかんがあるために社用車の運転が出来ない、電話対応はさせてもらえないなど制限を受けている事もあると思います。
これらをまとめたものを医師に提出した上で、診断書を作成してもらう事が、てんかんで障害年金を受給する上では必須の事になります。
病歴・就労状況等申立書を記載するポイントは、診断書では書ききれていない内容を補う必要があります。
そのため、診断書が出来上がってから記載をするのが望ましいと言えます。
また、診断書と病歴・就労状況等申立書に矛盾点があると障害年金の判定において不利になるため、整合性を取ることを心がけましょう。
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