うつ病の疑いのある方は心と体の両方の面から自分の状態をチェックしてくださいね。
うつ病の精神的チェック項目
まずうつ病になると多くの方に発症している心の面についてですが、気分が落ち込んだり抑うつ気分が強くなる傾向があります。
この症状は特に朝にでる傾向が強く、同時に何の前触れもなく悲しい気持ちになる事もあるのでこれらの症状がみられる方は医師への相談をお勧めします。
そのまま放置してしまうとますますふさぎ込んでしまうようになり、最終的に何の希望もないと思い始め最悪の結果を招く事に繋がるのでこうなる前に治療する事が必要になってきます。
他にチェックする点で見落とし安いのが思考力の低下です。
気分がうつ病の多くは気分が落ち込んでいるという点が注目され、その部分だけでうつ病と判断してしまう方が多くいますが集中力が極端に低下し仕事の能率までに影響を及ぼしている場合はうつ病の可能性があるので注意しなければなりません。
特に注意力が散漫になって小さな事まで判断できないようになってくるため、危険を伴う職場での勤務をしている方は特に危険なのです。
また周囲の方で自分の行った発言に対してのリアクションが通常と違う場合は即座に医師の元をいく様に促して、詳細な診察を行ってもらうようにしてください。
そして似たような症状として意欲の低下が挙げられます。
通常人間はストレスのはけ口として趣味やテレビ等の娯楽を楽しむ傾向があり、これによって心身共にリフレッシュする事ができます。
ただしうつ病を発症している場合はこれらの娯楽を観ても楽しいと思う事ができず、自分の好きな趣味の話をしてもそれすら面倒だと感じるようになってしまいますます他人から遠ざかるような生活になってしまい、結果的にうつ病を悪化させてしまうのです。
また、希死念慮と言って「死にたい」「死ねば楽になれる」「死んだほうがましだ」と自殺について考えるようになってくるとうつ病の中でも非常に危険な状態と言えます。
なので自分のうつ病かどうかをチェックするには、直接的な感情だけでなく他の要因が干渉してくる事によって動く心の面も問題がないかチェックする必要があるのです。
うつ病の精神的な症状のチェックポイントをまとめると、
- 抑うつ気分が強くなる
- 思考力の低下
- 注意力が散漫になる
- 意欲の低下
- 希死念慮
となります。ご自身がうつ病かもしれないと感じた時には、これらが当てはまるかを思い返して見て下さい。
うつ病の身体的チェック項目
さて次に体の面の問題についてですが、こちらは視覚的な症状が顕著に表れるため他人からでも症状の進行具合をある程度把握する事ができます。
チェック1:睡眠
まず自分が認識できる範囲の症状として挙げられるのが睡眠です。
うつ病では眠れなかったり入眠が困難になる人も多く、寝たとしても朝早くに起きてしまい全然疲れをとる事ができないといった症状がみられる傾向があります。
睡眠は一日の疲れをとるための必要な行動になっているのですが、これを阻害されてしまう事で心の面への悪影響もみられるので早急な治療が必要な状態です。
睡眠に関しては多くの症状の発症が確認されておりこの他にも夜寝たにも関わらずすぐに目を覚ましてしまい、またすぐ寝るといった事を繰り替えすという方もいます。
うつ病は脳の病気と言われていますが、唯一脳の機能を修復してくれるのが睡眠になります。
そのため、うつ病や抑うつ状態で病院で診察を受けると、抗うつ剤や安定剤の他に睡眠薬を処方されることが多く見られます。
無理にでも睡眠を取った方が、全く眠れない状態を放置しているよりははるかに良いのです。
チェック2:食欲
そして睡眠の次に自覚症状として現れるのが食欲に関しての症状です。
一般的には食欲がないといった症状が確認されているのでわかりやすいのですが、中には自分の好物を食べても美味しく感じないというある程度心の面と干渉しあっている症状の発症も確認されているため判断が難しい症状の一つとして知られています。
食欲といえば体重に関してもうつ病の方は特殊な状態になっており、ダイエットもしていないのに短期間で数キロ体重が減る人はうつ病の確率が高いので日々の体重チェックは怠らないようにしてください。
反対に体重が増加しすぎてしまうという症例も確認されており、この場合は特に甘い食べ物を欲した故の結果という事例が多く報告されているため普段よりも甘い物が欲しく感じるという方は注意が必要です。
うつ病は男女間によって発症事例が大きく異なる病気でもあります。
男性によくあるうつ病症状
男性の場合は勃起不全になってしまったり性欲そのものの低下がみられます。
女性の場合も月経不順等それぞれ性別特有の症例が確認されています。
男性の勃起不全は男性ホルモンの一つであるテストステロンの分泌が上手くいっていない可能性が高く、うつ病治療の薬品も効果がありますが男性ホルモンが含まれたサプリメントを服用する事で症状がある程度改善する事もあるので試してみましょう。
女性に特徴的なうつ病の症状
女性の月経不順は体のあらゆる場所に悪影響を及ぼす事になるため早急な治療が必要になってきます。
月経不順は投薬治療で完治は難しく複合的な要因で発症する症状なので、医師に相談して正しい治療方法を受ける事を強くお勧めします。
また自分の生活習慣をチェックして必要以上にストレスを貯めてしまう行動をしていないかを確認する事も重要です。
うつ病の症例としては風邪の一部の様な症状になる事も多く、特に頭痛は一番判断が難しい症例の一つとして知られています。
なので頭痛の他に体の関節が痛まないかどうかをチェックして、体に必要以上に物理的な負荷を加えない様にしストレスの原因を断つようにしてください。
うつ病を発症したかもしれないという人は心の面も重要ではありますが、こういった肉体的な症状がでる場合もあるので多数の症状が同時発症されていないかどうかをチェックして生活に支障をきたす状況になっているのならば早急に医師に相談し治療をうけるようにしてください。
厚生労働省におけるうつ病のチェックリスト
厚生労働省のホームページである「心の耳」では、うつ病のチェックリストを設けていますので、その中でも仕事に関する項目を挙げてみると
- 非常にたくさんの仕事をしなければならない
- 時間内に仕事が処理しきれない
- 一生懸命働かなければならない
- かなり注意を集中する必要がある
- 高度の知識や技術が必要なむずかしい仕事だ
- 勤務時間中はいつも仕事のことを考えていなければならない
- からだを大変よく使う仕事だ
- 自分のぺースで仕事ができる
- 自分で仕事の順番・やり方を決めることができる
- 職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる
- 自分の技能や知識を仕事で使うことが少ない
- 私の部署内で意見のくい違いがある
- 私の部署と他の部署とはうまが合わない
- 私の職場の雰囲気は友好的である
- 私の職場の作業環境(騒音、照明、温度、換気など)はよくない
- 仕事の内容は自分にあっている
- 働きがいのある仕事だ
と言ったものがありました。
やりがいや人間関係、職場の雰囲気や環境など多岐に渡っています。性別によっても質問内容が異なるかと思いますので、気になる方は一度チェックして見て下さいね。
>>http://kokoro.mhlw.go.jp/check/
うつ病になった時のセーフティーネット
うつ病は「心の風邪」などと呼ばれるので安易に考えている人が多いですが、残念ながら風邪の様に簡単には治る病気ではありません。
短くても半年、長い人では10年も20年もうつ病に悩まされ続けています。
そのため、社会人であれば長期休職や退職、リストラになる可能性は非常に高いのが特徴です。
そうなった時でもしっかりと治療を続けて、社会復帰できるようなセーフティーネットを知っておくのは大切です。
では、実際にうつ病になった時にはどのようなセーフティーネットがあるのかをご紹介します。
- リワークプログラム
- 傷病手当金
- 障害者手帳
- 自立支援医療
- 障害年金
これらを有効に活用する事で、しっかりとうつ病の治療をして寛解させる事を目指しましょう。
リワークプログラム
リワークプログラムとは、うつ病などの木文章がで会社を休職中の方を対象とした、職場復帰を目指すためのプログラムです。職場復帰を想定したプログラムに適応できるように、心身のコンディションを整えることを目的としています。復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムともいいます。
施設に実際に通所をして、決められたプログラムを受講したり、簡単な作業をこなしていく事で、職場復帰をスムーズにしてくれます。
また、ストレスとの上手な付き合い方や、アサーティブなコミュニケーション方法など、心身ともに無理なく仕事を遂行していくうえで必要なスキルも身に着けられます。
傷病手当金
病院でうつ病と診断されると、多くの場合業務に制限を設けられます。
軽度であれば残業や休日出勤をしてはいけないと言ったものですが、ある程度深刻なうつ病と判断されると休職するように指示が出ます。
会社を休むと給与が出なくなるので、生活費の心配が出てきますが、一番初めのセーフティーネットと言えるのがこの傷病手当金になります。
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業した期間について給与の支払いがないこと
などが受給できる条件となりますが、給与の3分の2が健康保険組合から最大で1年6か月間支払われるので、当面の生活費を確保する事が出来ます。
障害者手帳
うつ病が長引き退職をしなければいけない、もしくはリストラされてしまった時には次の仕事を探さなくてはいけません。
しかし、うつ病は良くなったり悪くなったりを繰り返す病気のために、一般的な仕事をするのは非常に困難なケースがあります。
このような場合には障害者手帳を取得しましょう。
役所で書類をもらい、医師に記載をして届け出る事で比較的簡単に取得する事が出来ます。
障害者手帳があると、公共の乗り物や映画館、美術館などが安く利用出来るというメリット以外に、うつ病と言う障害をオープンにした就職先を探す事が出来ます。
例えばハローワーク求人では、一般求人以外に障害者求人と言うものがあります。
また、障害者を専門にしている障害者転職エージェントもあるので、こういった機関を利用する事で無理なく仕事を続けることが可能になります。
>>ハローワークだけじゃない!うつ病で仕事探しをする時に役立つサポート機関
自立支援医療
通常医療費の自己負担は3割ですが、役所に届け出をする事によって1割負担にする事が出来るのが「自立支援医療」になります。
うつ病になると、毎月通院しなければいけませんが、その治療費を払うお金がないので、病院に行く事を辞めてしまう人がたくさんいます。
しかし、それではうつ病はいつまで経っても改善しないので、医師の診察を受けて薬をしっかり飲むことが大切です。
自立支援医療を活用して、しっかりとうつ病の治療を行いましょう。
障害年金
うつ病の初診日から1年6か月が経過しても、全く改善しない状態で日常生活や社会生活に大きな支障が出ているようであれば、障害年金の申請を行いましょう。
医師が書く診断書と本人が書く病歴・就労状況等申立書の内容を元に、認定医が等級を判断します。
ハードルがかなり高く、簡単に受給できる訳ではないですが、しっかりとした書類を作成する事で受給出来る可能性を高くする事はできます。
一度支給が決定すると、うつ病の場合通常は2年間支給されますので、かなりゆっくりと治療に専念する事が出来ます。
特に障害厚生年金2級であれば、月額で十数万円以上受給出来るので、生活も安定させる事が出来ます。
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