うつ病患者は年々増加の一途を辿っていて、現在日本には100万人以上のうつ病患者がいると言われています。
軽度れあれば通院しながら仕事を続ける事も可能ですが、中度・重度のうつ病ではしっかりと休養を取りながら治療をしていく事が大切です。
うつ病で休職するには精神科や心療内科で診察を受け、医師から診断書をもらう手はずが必要です。
うつ病で傷病手当金を受給するための受給要件
傷病手当金を給付されるには、以下の4つの事項を満たしている必要があります。
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業した期間について給与の支払いがないこと
注意点としては、業務によってうつ病を発症した場合は、労災の対象となる事です。
例えば、明らかな過重労働やパワハラがある場合は、傷病手当金ではなく、労災の申請を検討する必要があります。
うつ病の発症が労災と認められるには、それなりの証拠がいるので、パワハラやセクハラを受けているのであれば、録画や録音、メモ書きなどを残すようにしましょう。
うつ病は「心の風邪」などと言われる事があるので、軽視する人が多いですが、何年も何十年もうつ病で苦しんでいる人はたくさんいます。
傷病手当金の場合は、期限が1年6か月と限られていますが、労災であれば完治するまで保証してくれます。
うつ病は寛解するのがとても大変な病気なので、業務に起因するうつ病の場合は臆せず労災を検討しましょう。
うつ病で傷病手当金を受給するステップ
社会保険に加入していると、病気で休んだ4日目から傷病手当金が給付されます。
もちろん自動的に受け取ることはできないので、診察を受け、うつ病と診断され、その診断書を会社に提出しなければならないのです。
傷病手当金を申請するには、健康保険組合から申請書を取り寄せ、自分で記入するものと医師の証明書、その疾病の治療のために労務に就くことができない旨が示してあるものが要ります。
そして、事業主からの証明書は会社を欠勤しているという証明と欠勤期間の給与支払いがないことが条件となりますのでご注意下さい。
その書類が揃ったら事業主が健保組合に提出し、給付を待つことになります。
傷病手当金の金額は、給料の日額3分の2ほどです。期間は最長1年半で、基本的に毎月申請する方が審査が下りやすいようですが、3か月まとめて書くこともできます。
申請書の書き方は記入例にそって漏れのないようきちんと書いてください。
添付書類として申請期間前の1カ月分の出勤簿またはタイムカード、申請期間分の賃金台帳またはタイムカードなどが必要となる事もあります。
傷病手当金は二回目の受給も出来る?
また、傷病手当金をもらい終えた後二回目の休職で受給できるかということも気になりますね。
うつ病は再発しやすい病気なので、傷病手当金を受給後、復職をした後に再度再発するケースが多々あります。
しかし残念ながら、基本的に同じ疾病で傷病手当金は受給できないと思って下さい。
例えば一度目が胃潰瘍の手術で二回目がうつ病なら可能です。
でもこれは1年半満額受給した例で、もし最初の受給が1年半に満たない場合は、同じ疾病でも残りの期間は受給できます。
つまり、うつ病で傷病手当金を受給出来るのは、合計で最長1年6か月となります。
特例として同じ疾病でも受給できる場合もありますが、それは社会的治癒と呼ばれるその疾病の治療を受けていない状態で就労もできていること、つまり、健康だったが、働いているうちに病気になったとみなされる場合なのです。
会社に復職してから、何年も通院や服薬もなく通常勤務をこなした後に、再発した場合は再度受給出来る可能性があります。
その審査については健保の判断ですので下りるかどうかはわかりませんね。
うつ病など、再発しやすい疾病はよほど気をつけていても何度も休職しがちです。
こまめに3か月単位で4回取るか、しっかりまとめて1年半取るかはその人次第とも言えるでしょう。
うつ病を治すには時間がかかります
うつ病を治すには時間の力が大事です。焦りや不安はうつ病につきものですが、治療薬とともにリハビリの力も大きく寛解させるためには大きく関係しているようです。
私も1年6か月間うつ病で傷病手当金を受給しましたが、その間の生活費を保証してくれたので、本当に助かりました。
また、傷病手当金は健康保険組合から脱退した後や、退職した後でも傷病手当金は受給出来るので申請する事を忘れないようにして下さい。
うつ病になったからと安易に退職するのはおすすめできませんが、一度仕事の事を完全に忘れて治療に専念するのも一つの方法です。
休養しながら生活の心配をしなくて良いのはありがたい事です。
会社が辛くてたまらにという人にとっても、傷病手当金を受けている間に進退を決めるという選択もできるのです。
働いていると様々な場面で岐路にぶつかります。うつ病にかかってしまうと大きな決断をしてはいけないという医師もいますね。
「迷中の是非は是非ともに非なり」という諺がありますが、うつ病の人が迷いつつ判断するのはとても困難な展開になる場合が多いのです。
申請書などは書き方のマニュアルに沿ってきちんと書きもれがないよう注意し、働ける状態にないという事を会社にもしっかり理解してもらいましょう。
二回目以降でも申請について要件を満たせば通常は審査が通ります。
実際に傷病手当金を受給された方に話しを聞いてみると、このような制度があることで本当に助かり、しっかり治療できたと話されています。
自営業の国保にはない制度だけに会社勤めのメリットだと喜ばれていました。
疾病で入院などしている期間は民間の生命保険や高額医療限度額認定書などで補てんできました。
傷病手当金は、疾病そのものより、労働による給料の補てんなので、まさに鬼に金棒という存在なのですよね。
意外にもこの制度を知らない人が多いのに驚きます。知っていれば人にも説明できるし、それはとても心強いものと言えるでしょう。
うつ病はしっかり治療を続ければ、少しずつでも回復する病気です。
また、認知の歪みから来ているとの説もあり、治療として認知行動療法を取り入れている病院もあります。
自動思考で常に心配事から離れられず、からまわりしてしまう。そうこうしているうちに激しく強迫観念に見舞われたりするのはとても辛いですね。
一日中布団から離れられず寝込んでいる人もいれば、希死念慮が強く出てきて、自殺未遂をする人もいます。
抗うつ剤の反応性が低い人は、認知行動療法以外にも、電気けいれん療法を行ったり、リハビリやデイケアでの交流も重視されています。
また、精神病院での入院患者数もうつ病患者が大幅に増えています。
私が電気けいれん療法を受けるために入院した時も、大半の人がうつ病でした。
見た目は普通なのですが、ベッドから起き上がる事すらできずにいる人がたくさんいました。
私もそのうちの一人でしたが、障害年金を受給しながら電気けいれん療法を受ける事で、かなり回復する事が出来ました。
傷病手当金にしても、障害年金にしても、使えるものはフル活用して、うつ病を治していきましょう。
コメント
[…] の全ての条件を満たしていれば、給与の3分の2を傷病手当金として健康保険組合から受け取る事が出来ます。 […]
[…] もしこういった場合は一般的な保険である健康保険や、傷病手当金、国からの支援、精神障害者手帳の発行などを考えましょう。うつ病になる場合は特に完治まで時間がかかる傾向がありますから、焦らずゆっくり治療を行いたいところです。ゆっくり治療をして心を休めることも大事なことになるので、保険の手続きなどはケースワーカーや医師、ファイナンシャルプランナーに相談するのが一番確実です。 […]
[…] そんなときのために、日本では傷病手当金や障害年金と言った制度があるので、賢く活用するようにして下さい。 […]
[…] >>うつ病で傷病手当金を受給する手順と書き方。再発したら二回目は? […]